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西武・渡辺久信監督代行が退団「けじめをつけないといけない。残るのはおかしい」

スポニチアネックス 2024年10月9日 23時11分

 ◇パ・リーグ 西武2―2楽天(2024年10月9日 楽天モバイル)

 西武は9日、今季最終戦となる楽天戦(楽天モバイル)戦に延長12回の末、2―2で引き分けた。シーズンを49勝91敗3分けの最下位で終了した。

 首位のソフトバンクとは42ゲーム差がついた。パ・リーグで首位チームと40ゲーム差以上つけられたチームは、パ・リーグでは2005年に球団創設1年目の楽天が首位ソフトバンクに51.5ゲーム差をつけられて以来だ。球団として40ゲーム差以上つけられたのは過去1度だけ。西鉄時代の1971年に首位の阪急に43.5ゲーム差となって以来の屈辱となった。

 試合後、来季新監督として西口文也2軍監督が就任することを発表した。あわせて退団が発表された渡辺久信GM兼監督代行は試合後、「GMとしてほとんどの選手の獲得に関わってきた。けじめをつけないといけない。この球団に残るのはおかしいと思う」と、責任を受け止めて球団に退団を申し入れたと述べた。

 「西武ライオンズには18歳から、プロの世界も何もわからない中、群馬の田舎から入団してきて。長いこと現役もやらせてもらいましたし。途中抜けて戻ってきてからも非常に長い間、指導者としてフロントとやらせていただき、自分の成長させていただいた。本当に恩義のある球団ですし、いろいろ周りからは言われますが、私はライオンズが好きだし、すごく良いチーム。そして西武という会社も、非常に良い会社だと思っている。これから新体制に変わって、変われる時だと思うし、そこに私がいるのもどうなのかなという思いで決断した」と西武への思いを口にした。

 「交流戦始まる時の会見でもプロ野球人生かけると言っていたし、ある意味そこで腹は決めていた」と覚悟を決めての代行監督だった。

 「精一杯やったかなと…最終的にこういう形で退団で悔しい思いはあるけれど、この18から41年間、自分がやってきたことに私は誇りを持っているし。やってきたことは間違ってないというか。自分のやれることを精一杯今日までやってきたというところで、感謝しています」と語った。

 チームに向けて「集まった時にも話はしたけれど、この秋からの練習もすごく大切だし、ある意味みんな私にとったらかわいい子供みたいなもの。選手たちがつらいシーズン戦って、このシーズンが将来的にこの悔しさがあったから強くなれたと思ってもらえるくらい、しっかりこれからやっていってほしい」とエール。

 来季新監督に就任が発表された西口2軍監督については「生え抜きで、彼もずっと西武でやってきた。引退してから台湾、韓国、アメリカといろんな野球を臨時コーチとして見て来た。指導者としてのスキルはだいぶ上がってきている。何より彼は勝負師だと思っている。思い切って采配をふるってほしい」とメッセージをおくった。

 チームに必要なことを問われ「個の成長が必要。チームというのは、野球というのは、三原(脩)さんの言葉じゃないけどプロって勝って和す。アマチュアは和して勝つと言われるけれど。個々の選手の戦いがプロ野球。それが集まって優勝してみんなで喜びあうと。とにかく今の子たちはそういういろんな意味で、今年プロの厳しさを味わったと思うので頑張ってくれると思っている」と期待を寄せた。

 最終戦の采配を終え、「勝ちたかったですね。隅田の2桁もかかってたし。最後の試合だし。最後の延長に入ってからの粘り、チームの粘りは後半出てきたところ。やればできると思う。負けずに済んでよかったっていう感じもします」と振り返った。

 ユニホームを脱いだ後は「ゆっくりしますよ。最終戦でも言ったけど、41年間戦い続けてきたので。子供たちも独立して大きくなって、孫もいるし。一番苦労かけた家内にゆっくりしてもらおうかと。1週間に1回でも食事を作りましょうかと…」と家族への思いを口にして、球場を後にした。

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