世界レベルへの挑戦に、阪神・才木が胸を躍らせた。侍ジャパンに初選出され、CSに向けた甲子園での調整後に「初めて選んでもらえたということで、凄くいい経験になればいい」と抱負。日の丸の背番号35を早くもイメージした。
「海外の選手との対戦から感じるものはあるはずだし、どれだけ自分の真っすぐが通用するのか。せっかく行くんだから、自分に生かしていきたい」
今季は25試合に先発し、13勝3敗で防御率は1・83。打診を受けた段階では「これだけ投げているので、ちょっと悩んだ」と打ち明けたが、レベルアップになると信じて決断した。井端監督は才木を先発として期待。WBCに出場した巨人・戸郷、中日・高橋宏の両腕の名も挙げて「投手陣を引っ張ってもらえれば」と語った。「先発3本柱」としての役割が求められる。
ドジャース・大谷から与えられた“宿題”も右腕のモチベーションになった。23年3月6日、WBC前の日本代表壮行試合で大谷と対戦。第1打席は154キロで空振り三振を奪ったが、第2打席ではフォークに膝をつきながら本塁打された。「ベストボールを打たれた」という悔しさが、1球も妥協しない才木の成長につながった。
「ゆくゆくは一番と言われるところに行きたい。頑張って結果を出して、そういう代表に選んでもらえるようになりたい」
道は26年WBCに続く。だからこそ、今回も手を上げた。目指すのは日本のエース。ファーストSの初戦を任されているCSも、夢への通過点だ。(鈴木 光)