Infoseek 楽天

ドジャース崖っ縁連敗も大谷前向く「2連勝すればOKというゲームだと思っている」

スポニチアネックス 2024年10月10日 1時31分

 ◇ナ・リーグ地区シリーズ第3戦 ドジャース5―6パドレス(2024年10月8日 サンディエゴ)

 大リーグは8日(日本時間9日)、ナ・リーグの地区シリーズ(5回戦制)第3戦を行い、ドジャースはパドレスに競り負け、1勝2敗で崖っ縁に立たされた。大谷翔平投手(30)は4打数1安打だったが、3回には反撃ののろしを上げる中前打を放った。数々の伝説を打ち立てたメジャー7年目の今季。まずは9日(同10日午前10時8分開始)の第4戦を制し、逆転での突破だけを見据える。

 後ろは振り返らず、前だけを見続ける。1勝2敗となり、窮地に立たされた試合後。私服姿で球場通路に現れた大谷は、言葉に力を込めた。「後がないという感覚自体が今の僕にはない。(第4戦以降は)2連勝すればOKというゲームだと思っている」。その表情に焦燥感はない。“2連勝”や“2勝”という言葉を計4度も繰り返した。

 6点を奪われた直後の1―6の3回無死一塁。バットを折りながらも中前打を放ち、好機を築いた。T・ヘルナンデスの満塁本塁打で1点差に追い上げての惜敗。7番ラックスが凡退して試合終了となった9回も、ヘルメットを手にし逆転を信じる姿勢を示し続けた。「十分に勝つチャンスはあった。自信にしていいところ」。チームの底力を感じ取った一戦でもあった。

 初戦以来の本塁打は出なかったが、5回の中飛はフェンス手前まで運んだ。「入ってくれたらゲームを戻すいい一打になったと思うが、あと少しのところだった」。感触は悪くない。米データサイト「ベースボール・サバント」によれば、ドジャースタジアムなら本塁打だった。

 ペトコ・パークには04年の開場以来、最多となる4万7744人の大観衆が集まった。ロサンゼルス周辺のファンは購入できないパ軍のチケット戦略により、ド軍にとっては完全アウェーの雰囲気。警備員や警察官の増員など厳戒態勢が敷かれる中、スタメン発表から敵地ファンのブーイングを浴びた。それでも、大谷は言う。

 「盛り上がっていて素晴らしかった。ポストシーズンだなって。まずはここで(プレー)できていること自体に感謝したい」。自身初となる敵地でのポストシーズン。その一瞬、一瞬をかみしめた。

 デーブ・ロバーツ監督は「翔平はまだ良い状態にある。明日は何か良い活躍をしてくれると期待している」と信頼を口にした。ド軍に加入した今季は前人未到の「50―50(54本塁打、59盗塁)」達成など、伝説的な活躍を見せた。大谷なら、何とかできる。勝負の第4戦を制し本拠地・ロサンゼルスへ。悲願のワールドシリーズ制覇へ、ここで終わるわけにはいかない。(柳原 直之)

 ≪16年○●●から連勝突破≫現行の地区シリーズとなった95年以降、この日のドジャースのように1勝1敗からの●で王手をかけられたのは昨季まで49度。そのうち25度が第4戦●で敗退している一方、24度が○で2勝2敗に戻している。タイに戻した24度のうち、第5戦も勝って○○で勝ち抜いたケースは13度で確率は27%。今回のド軍と同じ○●●は過去26度で、第4戦○は12度、●は14度。16年のド軍はナショナルズに○●●から○○と連勝して地区シリーズを突破している。ド軍は今季で12年連続のプレーオフ出場。過去11年のうち、地区シリーズを勝ち抜いたのは6度で突破確率は55%。

 【大谷に聞く】

 ――第4戦で負ければ敗退。

 「あとはシンプルに2勝するということだけを考える。今日終わったことは終わったことで、明日切り替えて頑張りたい」

 ――4打席目の見逃し三振は外角球がボールに見えたか。

 「良い投球ではあったので、せめてファウルにできればよかった。その前の真っすぐ2球がちょっと甘かった。それを打てるのが一番良かった」

 ――初のPSで驚いたこと。

 「ここまで健康に野球ができて、今日もプレーできたことに感謝したい。また明日に向けて調整したい」

 ――短期決戦で厳しいコースを突かれているか。

 「変わらない。そこはシーズン中と攻め方や、ボール自体の見え方は特に大きく変わっている感じはしない。(ストライク)ゾーンを保って、しっかりシンプルに振るという、そこだけ」

この記事の関連ニュース