Infoseek 楽天

「旧バナナ」大阪・梅田老舗ライブハウス今月いっぱいで幕 フラカン、スネオヘアーらがラスト飾る

スポニチアネックス 2024年10月10日 19時38分

 大阪のライブシーンを支えてきた大阪・梅田の老舗ライブハウス「umeda TRAD」が今月いっぱいで賃貸借契約の満了により閉館することになり、30日から2日間、TRADと縁のあるアーティストやバンドが同所で最後のライブを繰り広げる。30日は岩崎慧(セカイイチ)、スネオヘアー、ひとりTOMOVSKY、山田将司(THE BACK HORN)らによる弾き語りライブ。最終日の31日はSCOOBIE DO、バンドTOMOVSKY、フラワーカンパニーズによるラストライブが組まれている。

 1981年にバナナホールとしてオープン。西日本最大の繁華街・梅田にありながら、堂山町と呼ばれる雑居ビルが立ち並ぶディープな地域で歴史を刻んだ。尾崎豊、BOOWY、ブルーハーツ、BUMP OF CHICKEN、サカナクション…。このステージを踏んでいない有名アーティストを探すのが難しいほどで、若手からベテランまでジャンルを問わず多くのミュージシャンを支え続けてきた。

 09年に「umeda AKASO」に改名し、その後17年から現在の名称に変更。このライブハウスでバイト時代も含めると30年近く働いてきた青木清和店長は「寂しいという気持ちもありますが、今は最後の日までびっしりスケジュールが入っているので忙しくて感傷に浸っていられない状態」と苦笑い。ただ、ミュージシャンや音楽関係者から続々と連絡が入っており「けっこう愛されてたんだな、とは思います」と照れくさそうに語った。

 思い出のライブはたくさんあるが、衝撃を受けたのはデビュー当時のサカナクション。「ライブハウスなのにライトニングから計算し尽くされたステージで、なんなんだ、このバンドは!と思いましたね」と懐かしそうに語る。一方で「数え切れないほど売れる前のバンドを見てきたけど、まったく見る目はなかった」とも。デビュー直後のORANGE RANGEのステージを見たときは「特に強い印象はなかった」が、その後、出せばオリコン1位のメガヒットバンドとなった。

 若手の登竜門的な立ち位置もありつつ、固定ファンがついたベテランバンドにとっても、ありがたいハコだった。「うちは600~700の動員で、広すぎず狭すぎずなんです。使い勝手は良かったと思います」。

 30、31日はTRADおなじみのアーティストが集結。また、29日には旧バナナホール時代から30年以上、このステージに立ち続けているバンド「人間椅子」もTRAD最後のワンマンライブを行う。青木店長は「とにかく、無事に完走したい。でも、最後はやはり感傷的になるかもしれませんね」と笑顔だった。

 ◇30日の公演「ラブアカソ!ラブトラッド!ラブドーヤマ!」出演 岩崎慧(セカイイチ)、スネオヘアー、ひとりTOMOVSKY、山田将司(THE BACK HORN)ほか。

 ◇31日の公演「ラストパレードはいい星見ながら盆踊り!~Thank You umeda TRAD~」出演 SCOOBY DO、バンドTOMOVSKY、フラワーカンパニーズ。

 【問い合わせ】umeda TRAD 06-7897-2450、清水音泉 06-6357-3666

この記事の関連ニュース