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阪神・才木 トミー・ジョン手術から復帰後初の中5日解禁へ意欲「言われたら、いけるように準備したい」

スポニチアネックス 2024年10月11日 5時16分

 阪神・才木浩人投手(25)が10日、甲子園球場で行われた投手指名練習に参加し、トミー・ジョン手術から復帰後初となる「中5日」解禁へ意欲をにじませた。12日、DeNAを迎え撃つクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)第1戦の先発後は、18日の巨人とのファイナルS第3戦出陣が有力。宿敵のアドバンテージ1勝を含め、初戦から連敗した場合には後がない状況で迎える運命の一戦を見据える。この日は投球フォーム改良にも取り組み、決戦直前まで妥協なく進化を期した右腕。下克上日本一へ、「秘策ローテ」の中心を担う。

 才木を軸にした「秘策ローテ」なくして、下克上日本一は成し得ない。22年7月にトミー・ジョン手術から復帰後、救援やポストシーズンも含めた登板全55試合で中6日以上を保ってきた右腕が、ついに禁を破る。12日のファーストS第1戦を終えると、中5日の登板間隔で18日の巨人とのファイナルS第3戦へ向かう。自身に続く高橋、大竹に第一関門突破を託し、宿敵との決戦を見据える。

 「“中5日でいってくれ”と言われるんだったら、もちろんいけるように、準備はしっかりしていきたい」

 リーグを制した巨人には、1勝のアドバンテージが与えられる。仮に猛虎が第1、2戦で敗れた場合、0勝3敗で崖っ縁のマウンドとなり、1勝2敗ならばタイに戻す奮闘が求められる。2勝1敗で迎えれば王手を狙う一戦。どんな星取りで挑んでも、才木の投球で未来が変わる。「僕が(登板間隔を)詰めていくほど、うちの先発陣はそんなに弱くない」と“特攻”を一笑に付す一幕もあったが、安藤投手コーチは「中5日はあると思う。それはもちろん(0勝3敗なら)負けたら終わりなので」と真顔だ。

 先の頂上決戦にも照準を合わせる。ファイナルSの死闘を勝ち抜けば、待ち受けるのは2年連続の日本シリーズだ。起用が決定的な26日の第1戦には18日巨人戦から中7日の十分な間隔を設け、11月2日の第6戦には慣れ親しんだ中6日。CSと合わせた計4試合の先発は、エースに寄せられた厚い信頼の証に他ならない。虎の浮沈は、背番号35の双肩に懸かっている。

 この日は本番を想定し、甲子園のマウンドから変化球も交えて21球を投じた。出陣を2日後に控えながら、球速アップを念頭に置くフォーム修正に余念がなく、軸となる右足の動きや体全体の動きを入念に確認。進化の過程にある新フォームでCSを戦うことも否定せず「手応えを感じたり、こっちの方が良くなっていきそうだなと思えば(新フォームでいく)」と前を向く。

 「せっかくやるなら来年に得るものがあればいい。CSを勝つことが大前提だが、その中で何か自分にプラスになることがあれば」

 「秘策ローテ」のど真ん中で勝利と成長の二兎(にと)を追いながら、才木は頂点への急坂を駆け上がる。 (八木 勇磨)

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