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ドジャース・大谷の雄叫びか パドレス・ダルの不動心か 突破かけた運命の第5戦

スポニチアネックス 2024年10月12日 1時30分

 2勝2敗で並ぶドジャースとパドレスの地区シリーズは11日(日本時間12日)、突破をかけた第5戦がドジャースタジアムで行われる。ド軍・大谷翔平投手(30)は、第2戦で無安打に封じられたパ軍の先発ダルビッシュ有投手(38)への雪辱とリーグ優勝決定シリーズ進出を誓った。山本由伸投手(26)の先発も決まり、ポストシーズン(PS)史上初の日本投手の先発対決など、大注目の運命の一戦となる。

 試合中にあふれる闘志は、そこになかった。自身の走る姿が左胸に入った、ドジャーブルーの半袖パーカ姿での会見。大谷はダルビッシュとの再戦へ、柔らかな表情のまま、穏やかに思いを語った。

 「前回ももちろん素晴らしいピッチングだった。これ一つというのでなく、満遍なくうまく投球できるのが一番、素晴らしい点。勝つことを大前提に、自分がどれだけ貢献できるかを大事にしたい」

 勝てばリーグ優勝決定シリーズ進出、負ければ今季終了の大一番。相手は憧れの存在でもあり、第2戦で7回1点に抑えられた難敵だ。「一つの型に収まることなく、どういう状況でもうまく投げられる強さがある。その時、その時に合わせるのが一番うまい投手」。3打数無安打だった前回対戦では計15球中、直球は1球のみの変化球攻めで抑え込まれた。だが、PSでは初本塁打を放った第1戦、前日の第4戦と自身が打点を挙げれば勝利。ダルビッシュ攻略が生き残りの近道となる。「由伸(山本)と投げ合いますし楽しみ」としつつ「プレッシャーもあると思いますが、どういう投球をされるのか個人的に凄く楽しみ」と本拠の大声援の後押しを期待するような言葉も続けた。

 第4戦では適時打で雄叫びを上げるなど、鬼気迫る表情を連発。三塁塁審の腕に打球が当たって生還できず吠えたことへの質問には「忘れた」と言ってメディアを笑わせた。だが、運命の一戦も「相手にリスペクトを持ちつつ、チームを鼓舞するようなそういう感情はいいと思う」と全身でチームを引っ張る。

 キャッチボールなどで調整したダルビッシュも「今までとは全然、段違いで落ち着いている」と泰然自若。「今の時点では何も考えていない。打者の反応を見て、試合が始まってからいろいろ考えていくのが自分のやり方」と答えた。ダルビッシュはメジャー13年目、大谷は7年目で目指す悲願のワールドシリーズ初制覇。お互いが越えなければいけない大きな壁となる。

 「勝つことに全力で集中できていればいい。相手に負けることなく、強い気持ちを持って打席に立てれば、良い仕事ができる」と大谷。命運をかけた決戦前日、静かに燃える闘志の火花が散った。(柳原 直之)

 ≪PS最多6勝なるか≫ダルビッシュは全て先発でPS通算13試合目の登板。第2戦から中4日での登板となる。過去、PSでは「負ければ敗退」の試合で4試合に登板し、自身は0勝3敗、チームも4戦全敗。ただ、日本投手では田中将大(現楽天)と並ぶ最多タイの5勝を挙げており、白星なら単独トップに立つ。

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