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阪神・岡田監督「1年間を象徴したゲームやったもんな、はっきり言うて」CS初戦落とし突破率0%の窮地に

スポニチアネックス 2024年10月13日 5時18分

 ◇セCSファーストシリーズ第1戦 阪神1ー3DeNA(2024年10月12日 甲子園)

 「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」のファーストステージ(S)が12日に甲子園球場で開幕し、2位・阪神は3位・DeNAに敗れた。警戒していた牧、佐野、オースティンに3連打されて失った7回の2点が痛恨だった。阪神はCSファーストS初戦を落とした過去6度は、すべて敗退。今季限りでの退任が決まっている岡田彰布監督(66)に率いられた猛虎は、崖っ縁に立たされた。2年連続の日本一に向かうには、負の歴史に終止符を打つしかない。

 猛虎がようやく牙をむいたのは、3点を追う9回だった。抑えの森原を攻め、木浪の適時打でスコアボードに初めて0以外の得点が刻まれた。なおも2死一、三塁。同点、逆転のムードが高まり、4万2642人が入った秋晴れの甲子園が沸いた。しかし、代打・原口の強烈な当たりは不運にも左直で、ゲームセット。岡田監督はぼやきながら総括した。

 「1年間を象徴、今年を象徴したゲームみたいやったもんな、はっきり言うて」

 嘆きの原因は、レギュラーシーズンで何度も打たれてきた打者に、また打たれたこと。6回から登板し、回をまたがせた桐敷が7回1死から牧、佐野に連打を許して一、三塁。オースティンを迎えた場面で送り込んだ石井も、対戦打率・429(7打数3安打)の分の悪さがモロに出て、2点二塁打を浴びた。

 「結局、1年間、一緒のやつに打たれただけやんか。それだけのこと。1年間、全然、対策ができんかったっていうことよ」

 阪神戦の打率・333の牧に試合を通じて3安打、同・267で比較的抑えてきたはずの佐野にも3安打を許した。初戦の先発を託した13勝の才木をもってしても抑えられなかった。中継ぎ陣で痛恨の2失点をした7回は、チームで今季7被弾と天敵としたオースティンにとどめをさされた形。攻撃に目を向ければ、1番・近本、2番・中野が機能しなかったことも誤算で、これも「1年間の象徴」の言葉につながった。

 投打両面で元気がなかったチームと同様に、指揮官の体調も依然として芳しくない。体調不良で9日からの2日間、自宅で静養しても回復しきれていないことは明白。下りの階段もエレベーターを使い、試合前のベンチでは数十秒うつむいて動かない場面があった。

 球団がCSファーストS初戦を落とした年は、過去6度すべて敗退している。突破率0%の重い負のデータがのしかかる。今季限りでの退任が決まり、13日に敗れれば、岡田監督はタテジマに別れを告げることになる。まさに崖っ縁だ。しかし、今季の岡田阪神は逆境を何度も跳ね返し、最後まで優勝争いを演じた。昨年の日本一チームの底力は、こんなものじゃないはずだ。 (倉世古 洋平)

 ○…阪神がDeNAとのCSファーストSを黒星スタート。これで阪神のファーストS初戦成績は4勝7敗。黒星を喫した過去6度はすべてステージ敗退しており、突破率は0%。セ・リーグのCS全体でも過去16度のうち、初戦黒星からファイナルS進出は09年中日、17年DeNAの2度だけ。突破率は13%と厳しい。

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