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堺正章 国民的ドラマ「時間ですよ」秘話 超大物脚本家が降板の理由は?「ドラマじゃなかった」

スポニチアネックス 2024年10月14日 23時36分

 タレント堺正章(78)が、14日放送のBS12トゥエルビ「鶴瓶ちゃんとサワコちゃん~昭和の大先輩とおかしな2人~」(月曜後9・00)にゲスト出演し、人気ドラマ「時間ですよ」の裏話を語った。

 「時間ですよ」は1965年にスタートし、70年代にはシリーズ化される国民的ドラマに。町の銭湯を舞台にしたホームドラマで、営業時間中の女湯の着替えシーンなど、お色気要素も大きな話題になった。

 堺は70年の「ザ・スパイダース」解散後、歌手や俳優、バラエティー番組へと活躍の場を広げた。そのうちの一つが同作への出演で、堺は銭湯で働く従業員を演じた。脚本は向田邦子さん、演出は「寺内貫太郎一家」などで知られる久世光彦さんと、当時の超豪華布陣だった。

 ドラマには、堺や浅田美代子らが、ボイラー室や屋根の上で弾き語りしたり、一芸を披露する、本編とは一線を画すシーンもあった。堺は「向田邦子さんは最初ドラマとして書いて下さって、僕らがそのシーンをどんどん変えていって、僕と樹木希林さんと浅田美代子ちゃんと」と、アドリブをまじえてシーンを作っていった明かした。

 ところが、ここで思わぬ問題が起きた。「向田さんがドラマを見た時、“久世さん、これはドラマじゃないですね。私は降ります”って。2本書いている」。演出に疑問を持ったのか、向田さん側から降板を申し出られたといい、「降りられて、他の作家に交代したんですけど」と振り返った。

 堺はあらためて、「ドラマじゃなかった、あれは。もちろん森光子さんとか船越英二さんとかやっている部分は、ドラマとして成立していましたけど、僕たちのところに来るとそういう脈絡がなくなって」と説明した。

 しかし、堺がさらに驚いたのは、制作陣の判断だった。「ただ、久世さんがそれを守ったんですよ。“やめられたら困ります。ああいうことは一切やりません”とは言わなかった」。堺や希林さんが醸し出す世界観を守ってくれたといい、「“向田さん、大変申し訳ないですけど、すてきな本をすてきなドラマのために書いて下さい”って」と、向田さんの降板後も堺らの出演シーンの演出は変えなかったことを明かした。

 堺は73年までシリーズに出演。作品はその後もリバイバルされるなど、TBSの看板ドラマの一つになった。

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