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国学院大 出雲駅伝Vは「出来杉君」 平林主将のストイックな姿勢がチームに浸透 箱根制覇へ好発進

スポニチアネックス 2024年10月15日 4時22分

 ◇出雲全日本大学選抜駅伝(2024年10月14日 出雲大社前─出雲ドーム前の6区間45・1キロ)

 学生3大駅伝の初戦が行われ、国学院大が2時間9分24秒で5年ぶり2度目の優勝を飾った。今年2月の大阪マラソンで初マラソン日本記録&学生記録の2時間6分18秒を出した平林清澄主将(4年)が、2位・駒大、3位・青学大と三つ巴のアンカー対決に勝利。自身3度目の6区で29分3秒を出して初の区間賞に輝き、全日本、箱根と続く最後の駅伝シーズンへ大きく弾みをつけた。

 こんな気持ちいいゴールは初めてだ。平林がテープを切ると、仲間が駆け寄り、歓喜の輪ができた。「最高でーす!」。新進気鋭の強豪を束ねる主将は声を張り上げた。高校2年生だった19年の初優勝をテレビで見て進学を決意。最上級生となって2度目の優勝を果たし、「ドラマかなと思うストーリー」と自賛した。

 トップでたすきを受け、4秒差で今大会1万メートル最速の駒大・篠原、24秒差で青学大・太田が追いかける展開。10・2キロの短期決戦の距離適性では篠原に分があるだけに「ラストスパートに持ち込みたくない。ロングスパートを考えていた」。並走したライバルを5キロ過ぎのアップダウンで振り落とし、トップを死守した。前田康弘監督(46)は「エース対決で仕留めてくれた。物語として出来杉君」とジョーク交じりに褒めた。

 2月の大阪マラソン優勝も、平林は「(チーム強化の)きっかけの一つに過ぎない」と平然と言う。来年9月の世界選手権(東京)マラソン出場を目指して夏は1カ月1100キロほど走破。全員に目標達成の検証や時間厳守など細部まで求めた。主将のストイックな姿勢が浸透し、練習から緊張感に満ちたチームに生まれ変わった。「ここで勝ったのは始まり。箱根駅伝総合優勝が一番の目標。チャンスをつかんでいきたい」。学生最強ランナー率いる国学院大が、上昇気流に乗った。 (大和 弘明)

【駒大 篠原涙V3逃す】

 アンカー対決で敗れた駒大主将の篠原(4年)は号泣。「1~5区がレースをつくってくれた。自分のせい」と厳しく自己分析した。3連覇を逃して2位となったが、エース佐藤(3年)が故障で欠場した影響もあった。藤田敦史監督は「篠原だけの責任ではない。チームとして力をつけていかないと。(佐藤)圭汰抜きで、けん制という意味でインパクトを与えられた」と話した。

【青学大 リード生かせず】

 昨年度の箱根優勝校・青学大は前半のリードを生かし切れなかった。3区・黒田(3年)で首位に立ったが、5区の若林(4年)で3位後退。アンカー勝負の前に国学院大と24秒差がついていた。「かっ飛ばせ大作戦」を掲げた原晋監督は「1区から勝てるというタイミングがなかった」と苦い表情で語りながらも「距離が延びてきた方がうちは得意。全日本はしっかり狙いにいく」と巻き返しを期した。

【創価大 吉田9人抜きで4位】

 創価大2区の吉田(4年)が9人抜きの力走を見せた。10位で受け、トップでたすきリレー。チームは目標の3位以内に届かなかったが、最高成績となる4位に貢献したエースは「安定してタイムが出せるようになった。仕事を果たせてホッとした」と話した。昨年は準優勝ながら1人のドーピング違反で失格。前回5区区間賞のはずだった吉田の記録も無効とされており、その悔しさも晴らした。

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