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【阪神・藤川新監督 語る】「目指すものは勝ちです」 選手との向き合い方「迷わせないことが重要」

スポニチアネックス 2024年10月15日 16時34分

 阪神の第36代監督として就任会見に臨んだ藤川球児新監督(44)は、球団からの要請を受けた理由を会見で説明。岡田彰布前監督(66)の野球を継承する姿勢を打ち出したが、期待する選手、軸として考えている選手については具体名を挙げることは控えた。以下は一問一答。

 ――今の率直な気持ちを。

 「そうですね。オーナーのほうからも言われましたけれど、このチームにはビジョンがあって、もう幾数年にも実はそれがつながってきています。その中で岡田監督らしく取られたこの2年間、非常に強くそれからチームも成熟してきたのは自分も見ていて、それから僕もチームの中から外からその両方で見てきたところもあったので、この流れになったのかなと。自分自身は全くわからなかったですけれど、愚直にまっすぐにこう仕事をしてる中で、そういうものが見えてきたというところでお受けしました」

 ――就任を決断した理由は。

 「理由、理由ですか。特にないです。自然なのかなと。やっぱり僕もタイガースで18歳で入って、アメリカも行ったり、それから自分で選択して独立リーグ行ったりとかしてる中で、自分の下す決断というのに少しずつ自信を持てることができて、どんな道をおそらく選んでも自分の中で正解できるんじゃないかというところが、ここまでの自分の自信にもつながってます。なので、うまくいかないことがあると周りは言うかもしれないですけど、僕はどちらにしても大丈夫だと思ってますので、それは自分の決断に間違いはないと思います」

 ――恩師の岡田監督の後を受けることについては。

 「いや、おそらくそれも全て必然であって大きなその阪神タイガースが来年90周年を迎えるこの流れ、そして岡田監督の、僕が1年の時の岡田監督、阪神タイガースの2軍監督1年目ということで、全ての流れが、たまたまかもしれないですけど、それを自分の中でこう紐解いていくわけですね。人間なんでね。その中でどう受け取ろうかなっていうよりも、これが自然なのか不自然なのかというところを考えた上で、何も不自然なことがないというところで、これも運命なのかなと。従えばいいっていう感じですね」

 ――岡田監督から学んだことで大切にしていること。大切にしていきたいことは。

 「そうですね。選手の間だったり、こう球団のスペシャルアシスタントとしてチームをサポートする側でいる時、それから外でニュースなり解説していく時には気にならないんですけど、いざ、この会見をする立場になると、やっぱり、普通にやったらええ、これがリーダーの仕事かなと思いますね」

 ――岡田監督から託された22番を監督でも背負うが。

 「正直、岡田監督からもらっていなかった番号であれば、全くこだわりがなかったです。僕自身が30番で入団して、それから90番、 それから22番で、アメリカで11番、それから21番、それから高知でまた11番、阪神タイガースで18番、たくさんの番号をつけてきましたけど、自分の中で、阪神タイガースでプレーしていく中で結果が良かったこと、それから皆さんの印象に残っていること、全て含めてとうとう考えたところ、番号も空いていますし、これはもう全てが流れの部分なんで、逆にそこを抗うということのほうがおかしいんじゃないかということで。その何にもおかしいことじゃないなと。僕は背中は見えないので、いつも何番でもいいと言うんですけれど、皆さんから見た時、今後は選手から見た時の印象はありますから、そういった部分でも、オーナーがおっしゃられた通り、距離感っていうところでは もしかしたら近く見えるかもしれないというのはいいかもしれないですね」

 ――理想のチームについて。

 「そうですね。あまり本当は言いたくないんですけれど、戦う前にいうのはなかなか今ね、チャンピオンチームであった昨年であれば思うんでしょうけれど、僕はどちらかというとまだ新たに就任する監督であって、コーチ陣の方たちともまだビジョン、来年に向けて組んでないわけですね。その段階でメッセージとして固まってしまった意見を述べるというのは正直控えたいかなと。皆さんが持ってる岡田監督と戦ってきたコーチたち、選手たちの持ってる野球勘というのはすごく大事なんで。僕としては前回、岡田監督が監督されました2008年の時の、その後2009年以降の野球っていうのも自分の中で覚えていまして。野球のベースが移り変わっていった記憶があって、そこで選手たちがやっぱ岡田監督という強烈な素晴らしいリーダーシップを持った監督。僕自身そうですけど、簡単にぱっとこう変化できなかったっていうのがあって。なので、いかにこう流れの中でいわゆるチャンピオンチームである巨人の阿部監督を倒していったりとか、他球団と勝負していかなければいけないという意味では、時間があるようでない。そこは意思の疎通を図ってから結論を増やしたいなと思いますけど、まだ見てはいけないのかなと思います」

 ――現状のチームについては。

 「前年度日本一、それから今シーズンも2位まで最後の強烈な追い上げ。僕も岡田監督とたくさんプレーしてきたんで、監督力です。はっきり言えば。選手たちは素晴らしいとは思います。ただ、僕も岡田監督とともに戦ってきて、岡田監督というのは駒が変わっても同じような順位に持ってくるだけの力がありました。なので、もしこれで僕も頑張ります。だけれども、僕が来たことで例えばチームが下がってしまうことがあれば、選手たちにも力が、となりますから。僕はその後も2009年以降必死でこうチームを支えたっていうのもありますから、そういう部分で選手たちの本気度、それと現状維持で今いるような、周りから僕たちから見て見えてるような選手っていうのは危機感を持って臨んでもらいたいなと思います」

 ――今のチームの強みは。

 「そこはもうファンの方々が思ってる、メディアの皆さんも同じかもしれないですけれど、3点ほど取ったゲームをきっちり終わらせてくれるというような安定の野球ですよ。僕もそこは1番ベースにあります。はい。面白みがある野球ではなくて、うん。するっといつのまにかゲームが終わっている、もうそれが狙いですけど。そういうゲームって後ろからリリーバーたちも出やすいんですよ。ゲームの流れのよどみとか、そういうものをあまりつくらないようなゲーム展開をしたいっていうのはありますから、その辺りは。うん。あとはそうですね。選手たち、コーチたちがさらにこう呼吸が速くなる。監督がたくさん引っ張ってくると思うんで。呼吸は選手たちとかね、こっちたちが常に忙しく呼吸してるようなこの秋、それから春まではそういう時間にしたいかなと思いますけどね」

 ――強化すべき点は。

 「非常に難しいんですけど、ベテランと言われる選手、僕もベテランの時期を実は過ごしました。その中で僕たちが現役に対していよいよ優勝しました。 勝てば勝つほどプレッシャーが高くなり、求められる責任感というのが大きくなります。その中で、どんな選手がそれを少しでも、監督、コーチじゃない立場からその気持ちを受け流して、いやこういう時はこうするんだよっていうような、プレイヤーの中での気持ちの安らぎというかね、力が必要です、もちろん。選手にも力が必要ですけど、ベテランの選手で、ただ空気がいい、だけどそれは選手で必要ないんで。力もあって、周りの意見も酌み交わしながら、橋渡しとは言わないんですけどうまくファンとか、選手から見た首脳陣とかそうですね、全てを取り囲むっていうところのそういう選手がいないし、欲しいし、またなってもらいたいと思うし。ただ、必要なのは力です。力が必要なのは間違いないです。プレイヤー個人に力がなくてベテランっていうのは僕は必要ないです」

 ――育成強化への思いを。

 「少しその話になるとまた表情が1つ、僕も監督として考えなければいけない。今のは戦いの部分なんですけど、次は育成という部分に変わりますから、少し話の視点が変わるんですけど、やっぱり新しく鳴尾浜にもずっと僕もお世話になったし、最後の試合ではたくさんのファンが来ていただいたということも聞いてます。それが今度は阪神沿線の中にある甲子園が途中で見られる尼崎でできるということで、選手たちに多大なる刺激が入ります。それから女子野球もあります。で、今、地域で少年少女たちに野球を教えたり、積極的に力を入れてます。本当にこう、地域密着っていうのは どの球団でも必要で、高知県に行って公園にも行ったりするんですけどやっぱ過疎化が進んでるところもあって、もっともっとこうスポーツの世界から世の中に元気を与えて、受ける受け皿、夢のある世界を広げなきゃいけないという意味では、最初に話したビジョンっていう大きなその球団のビジョンの中にはそこはありますか。もちろんファンの選手ももちろん大事ですけど、入団してくる選手にとっても大事なんですけど、それはそれで現場でやりますから。その球場の周りをどういう風に美しくして魅力のあるところにして、僕もせっかく来年90周年にもなる阪神タイガースの監督という役割をいただきましたから、みんなで今後100年、それから200年っていうところに向けて、いかに阪神タイガース、愛される球団で全国から来たいという思ってもらえるにする必要は、私も義務があると思いますから、見といてください。やりますから」

 ――期待する選手、柱になる選手は。

 「僕はその就任要請を受けた時にお話したんですけど、球団指導の方にお願いをお話ししたのは、僕にとってファンの方には選手の名前、ま、顔、背番号っていうのは大切かもしれないです。ただ、グラウンドに出た時は、ボールとバット、ま、いわゆるプレーの素晴らしさ、能力が必要なわけですよね。僕はその選手たちにいくら気づいてきたというそのプライドとか、その応援されてるファンがたくさんいる、ものすごく大事です。だけど僕、現役辞めてわかったんですけど、やっぱりタイガースの選手がやめても愛されますし、それはどれだけプレーができるかは、もしかしたら関係ないかもしれない。でも、相手を倒す意味では絶対的な力が必要なんで、いわゆるどんな選手と聞かれたら、能力のある選手を数字とともに見たいし、うちにも優秀なデータ班が入ってます。それを活かしながら、その中で野球という数字に現れないこのベースボール、また違う深みがある。僕も解説して、アメリカのメジャーリーグ見たし、日本のプロ野球も見たし、その違いはあるんですけれど、そこを岡田監督がやっていたような、その日本の野球、大谷選手みたいにはみんななれないんだっていう岡田監督おっしゃられました。その通りだと思います。なりたい選手のそこの僕としてはなぜ、っていうところをデータとともに見つけながら、球団と一緒に選手にアプローチをかけていくと。あくまで感情的にならずに柔らかくグラウンドで選手たちが1番荒ぶるのがグラウンドであるような状態に持っていきたいと思ってます」

 ――FAやドラフトもあるが。

 「そうですね。いわゆる僕たちが今の現役選手はわかってると思うんですけど、自分たちが現役引退した頃から、金本さん矢野さんですかね。あたりから選手の入れ替えが始まりまして、いよいよこうフリーエージェントの選手が一気に出てくるようなところに出てきました。これは戦力の入れ替えをした結果、最高の時間が長い部分、戦力を入れ替えなきゃいけないっていう。他球団から魅力のある選手たちが一気に出てくるってことですよね。いよいよいよそういうところになってまして、実際まだできるんじゃないかっていうような選手がリリースされて、他球団でもチャンスを求めなきゃいけない状況に今タイガースになってます。これはでもアメリカでは当然だし、できるチャンスがあるうちに、できるチャンスがある選手が他球団でプレーするという。板山選手もそうですね。ああいう球団にやっぱりしたいし、なるべきだと思います。フリーエージェントも同様で僕自身フリーエージェントで海外に出てますから、残ってくれって思いは当然あります。だけれども、やっぱりその評価っていうのは、今まで頑張ってきた個人の評価なんで。うん、FAできない。残念ながら。残念ながら。残念ながらですね。このチームに尽くすしかないという風な感情になってほしくないんで。思いっきり、とりあえず自分の権利を全うしてみたら。その中で本当に必要であったらわかるだろうし、僕と一緒に野球がしたかったら、僕と一緒にメンバープレイしてるんで 飛び込んでくれるだろうし、出なきゃいけなかったら出ますけど、まず大人なんで。せっかく大人の第1歩ですからね。判断を待ちたいし。と表面上はそうさせておいてください」

 ――目指すものを。

 「目指すものは勝ちです。当然勝ちで、きます。なのでプライベートで僕のことを知ってる選手たちも いますけど、やっぱり僕もオンとオフがあるっていうのはもうみんなわかってるので、そこは今度一緒にやっていく首脳陣の方が球団の方々も理解していて、僕は使い分けはしません。監督として皆さんと向き合います。選手として迷うんでね。やっぱこれは仕事っていう部分に関してはなかなかこう難しくて。アメリカでしたらうまくいけそうなんですけど、実際アメリカでも難しいです。なんで迷わせないっていうことが重要になりますから、その部分ではうん、どうにかこう、兄貴分みたいなところはコーチも幾数名かいますから、そこでも担当部署だけしながら、みんなで主体的にこう動いてそれを吸い上げる形で決断を下して、グラウンドで最高のものを勝負する。それまでは、まだ今は計画準備中なので、まだ実行には行ってないですけど、その段階ですね」

 ――ファンにメッセージを。

 「本当に選手の間から4年経ちました。その4年間の間もSNS等々で本当にお世話になったし、タイガースファンだけに関わらずたくさんの人と出会うことができて社会人として大きく勉強することができました。なので僕の中ではやっぱり経験こそ財産っていうふうに今回学びました。なので、まっすぐ愚直に真心をこめてこのチームを預からせていただいて、共にタイガースを日本一続けていきたいし、岡田監督が残したこの思い、OBの方々が89年間残してきた思いっていうのを繋いで、僕はまた次の世代につながなきゃいけないと思いますから。任された期間は全うするんで皆さんもおじいちゃん、おばあちゃん、それからお子さん連れて球場に来て、テレビの前でもラジオ聞いてても新聞読んでも 面白いなって言われるチームをつくりにいきます。ぜひ応援よろしくお願いします」

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