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“サラリーマンボクサー”阿部麗也 世界初挑戦ロペス戦以来の再起戦に勝利 新スタイル掲げ“最終章”へ

スポニチアネックス 2024年10月18日 22時43分

 ◇プロボクシング58キロ契約10回戦 阿部麗也(KG大和)《判定》川本響生(吉祥寺鉄拳8)(2024年10月18日 後楽園ホール)

 WBC世界フェザー級8位の“サラリーマンボクサー”阿部麗也(31=KG大和)が、今年3月の世界初挑戦で8回TKO負けを喫して以来、約7カ月ぶりの再起戦に3―0の大差判定勝ちを収めた。

 22年12月以来の“聖地”後楽園のリング。立ち上がりは力強い左ジャブを見せる21歳の相手の勢いに押された。ただ2回から左ストレートを軸に、緩急をつけた攻めを見せると徐々に手数で圧倒。終盤は鼻血を流す相手をダウン寸前まで追い込むも、ストップまでは持ち込めず。最終10回には逆にパンチを効かされた場面もあったが逃げ切った。リング上では「久々の後楽園のメインでしょっぱい試合をしてしまい申し訳ない。勝てたということだけが収穫」と悔しさもにじませた。

 「若さ以上にうまかった。怖さというより、スピードがやっかいだった」と21歳の川本を称えながら「多少パンチをもらっても、前に来られるのは凄く怖いというのを前回自分が感じた。多少パンチをもらっても圧をかける意識だったが、やっぱり場数を踏まないとだめですね。また課題ができたし、次にはつながった」と収穫を口にした。

 3月に米ニューヨーク州ベローナで前王者ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に8回TKOで敗れ、世界初挑戦は完敗という結果に終わった。パンチをぶん回す相手の圧力に恐怖を感じたことを振り返り「ロペスという相手と実際に向き合って、本物の圧力というか、生物的な強さとスキル以外の大事さを感じた」。世界で戦うには技術だけでなく、気持ちの強さも必要であると痛感。「うまさはもちろん出しつつ、もっと自信満々にやれるスタイルを確立したい」と世界再出発へ新たなテーマを自らに課した。

 「またすぐ世界とは今日の内容では言えない。やっぱり阿部さんだな、と思ってもらえる試合を一戦一戦クリアしていくのでもう少しお待ちください」。リング上では決意を新たに。「自分はまだまだ凡人。また新たな阿部さんを見せられるように、少しずつ進化していきたい」。再スタートを切った自称・天才が“最終章”に突入した。

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