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佐藤二朗 「一生頭が上がらない恩人」大女優への感謝語り涙 養成所時代に舞台ドタキャンの過去初告白

スポニチアネックス 2024年10月19日 14時47分

 俳優の佐藤二朗(55)が18日放送のTBS「A-Studio+」(金曜後11・00)に出演。「一生頭が上がらない恩人」だという大女優への感謝を語り、涙を流す場面があった。

 MCの「Kis―My―Ft2」藤ヶ谷太輔から「昔、舞台を直前でドタキャンしたことがあった?」と振られた佐藤は「それはもう、それはどうしようかな…」と動揺。もう1人のMC、笑福亭鶴瓶から「言うべきやって」とつつかれ、佐藤は「これ初めて言うよ、テレビで。ずっと言ってなかった」ともらした。

 佐藤は「23、4歳かな。今までずっと文学座という養成所に行って、1年で上がれず、次のある俳優の養成所に行った」と経歴を説明。その養成所についてこれまで語って来なかったといい、それは女優の渡辺えりが主宰する「劇団3○○」がやっていた養成所だったといい、そこの3期生として所属していたという。その養成所の同期が現在の妻だという。

 その劇団の卒業公演として「オールドリフレイン」という渡辺の戯曲を演じることになり、佐藤は主役に抜てきされ、半年間けいこをしたという。「非常に観念的な役で、ちょっとおかしくなっちゃって」と佐藤。「本番の初日の直前、前日の明け方の5時まで、どうしてもうまくいかない、3ページぐらいの長セリフがあって。どうしてもよくならなくて、今だったら、ビール飲んで寝ちゃうんだけど、その時は23、4歳で、とにかく何とかしなきゃって。半年稽古期間、一滴もお酒飲まなくて、どんどんおかしくなっちゃって。それでも、(劇場に)行くつもりで、新大久保のホームで下りたり、乗ったりをくり返してたんです。集合時間がすぎて、完全に人生終わったって思って」と舞台に向かうことができなかったという。

 当時は携帯電話もなく、自宅の留守電には何百件も入っており、劇団員も総出で探してくれたという。渡辺は愛知県の佐藤の母に「預かっている大事な二朗くんをこんなふうにしてしまいました。我々も探しています」と連絡を入れたといい、母親も愛知県から出てきたという。

 総出で探す中、佐藤は「フラフラゲーセンとか行って、テトリスやってた」と回顧。そんな中、留守電に残っていた母のメッセージで母と歌舞伎町のバッティングセンターを待ち合わせ。「その時、生まれて初めて回らないすし屋で母親と、すしなんかほとんど食えずに、わーって泣いて。店員もいるのに、泣いて、そのあと家に戻って」と振り返った。

 結局、佐藤が逃亡した舞台は養成所の1期生で2年前に同じ役をやった俳優の土屋良太が代役を務めて、何とか上演されたという。「妻も出ていて、その公演はビデオもあるんだけど、俺がもうちょっと立ち直ったから、見せて!って言っても、妻は見せようとしないんだけど、いまだに見てないんだけど」と話した。

 「えりさんは俺の将来を思って、今の今まで、土屋さんもそうだし、みんな内緒にしてくれてた。俺が勝手に言っちゃってるけど、えりさんに会うと“一生この話で笑えるね!”ってえりさんは言ってくださる。僕は“一生背負う十字架なので”って。ごめんなさい、えりさん。こういう流れで言ってしまいました」と謝罪した。

 「僕、当時、東北沢のえりさんの家に謝りに行って、目玉焼きをご馳走になりました。“良かったよ、こうやってまた会えて”って、えりさんは何にも責めずに、料理だけ振る舞ってくれて」と回顧。「泣きそうなんだけど、この話すると」と声を震わせ、「そういうことがありました、だから、えりさんは一生頭が上がらない恩人ですね。えりさん、すみません、勝手に言ってしまいました。これは本当に初めて言いました」と涙を流した。

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