NBAグリズリーズが19日(日本時間20日)、日本人4人目のNBA選手を目指す日本代表の河村勇輝(23)と2WAY契約を結んだことを正式発表した。
身長1メートル72の日本人選手がNBAのコートに立つチャンスを掴み取った。河村はエグジビット10契約からプレシーズンマッチ前のトレーニングキャンプから英語通訳をつけずにチームに馴染んで多くのコミュニケーションを取っていた。「やれるという感覚が凄く強かった」と手応え。プレシーズンマッチでも5戦全てに途中出場して、全米を驚がくさせたアシストなどで存在感を示して2WAY契約を勝ち取った。ちなみに河村がNBAの現役選手の中で最も身長が低い選手となる。
NBAの平均身長は1メートル98。河村の身長とは20センチ以上差があるが、過去にNBAでは1メートル80以下でも活躍した選手たちは多くいる。
まずは1947年に1メートル70の低身長で日本人の両親を持つ日系アメリカ人のワット・ミカサがNBA初の非白人選手として歴史的デビューを果たした。
その後には、NBA史上低身長1メートル60でホーネッツなどで活躍したマグジー・ボーグスがいる。ボーグスは1987年ドラフト12位でワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)に入団。14シーズンに渡ってNBAでプレーした。
その次に低身長選手だったのは、ナゲッツなどで活躍したアール・ボイキンス。1メートル65の低身長でドラフト外選手ながらナゲッツに所属していた2004年に1試合で30得点以上とったNBA史上最も低い選手となった。
その他には1メートル68でダンクコンテストを優勝したスパッド・ウェブがいる。ウェブは85年のドラフトでピストンズに入団。1986年のダンクコンテストでは、2メートル03のドミニク・ウィルキンスを破って1メートル68のウェブが優勝してバスケットボールファンに衝撃を与えた。その後にはニックスで活躍した1メートル75のネイト・ロビンソンも3度のダンク王に輝いている。
そして1メートル75の低身長でオールスターに選ばれたアイザイア・トーマスもいる。アイザイアは2011年ドラフトで全体60位でキングスに入団。2016年には15万票を獲得し自身初のNBAオールスターゲーム出場。ドラフト最下位の60位からのオールスター出場は世界に衝撃と希望を与えて試合も盛り上げた。
2023年のW杯で、アイザイアは自身のSNSで河村のプレー切り抜き動画を引用して河村を絶賛。河村が目指す理想的な選手の1人でもある。
1メートル72の日本人が夢のNBAの舞台で活躍する姿に大きな期待がかかる。
≪過去のNBAでプレーした日本人選手たち≫
NBAで最初にプレーしたのは2004年の田臥勇太(現・Bリーグ宇都宮)だった。2003年からNBAのサマーリーグに参加。2004年にサンズと契約して開幕ロスター入り。その年の開幕戦で日本人初のNBA選手としてコートに立ってプレーした。
2018年には渡辺雄太(現・Bリーグ千葉J)がネッツのサマーリーグに参加。その後、グリズリーズと2WAY契約。開幕5戦目となったサンズ戦で日本人2人目のNBAデビューとなった。
翌年の2019年には八村塁(現レイカーズ)が日本人初のドラフト1巡目指名でウィザーズに入団。日本人初の開幕戦先発出場してダブルダブルを記録した。
そして今回、2WAY契約を結んだ河村もNBAでプレーしたら日本人4人目そしてBリーグ出身では初のNBA選手誕生となる。