無敗でクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S)を突破したソフトバンクは20日、みずほペイペイドームで全体練習を再開した。栗原陵矢内野手(28)は26日にセ・リーグ本拠地球場で開幕する日本シリーズに向けて居残り特守も行った。前回20年の巨人との日本シリーズではMVPを獲得。ラッキーボーイ的な存在となったが、今回は攻守にどっしり落ち着いたプレーで4年ぶりの日本一へ導く。
全体練習後、栗原は居残りで三塁の守備練習に取り組んだ。ホットコーナー付近で奈良原ヘッドコーチ、本多内野守備走塁兼作戦コーチが動きを確認。日本シリーズに向けて、守りから固め直した。
「不安をなくすには練習しかない。試合の入りから必死に集中しないといけない。取れるアウトを取る。送球からまだまだなので」
この日から日本シリーズに向けた調整がスタートした。チームは前回20年のシリーズで巨人を4連勝スイープし、栗原はMVPに輝いた。「工藤監督がCSで打ててなかったのに使ってくれた。意気に感じた思いからですかね。勝ててよかったというのが思い出です」。
第1戦に「5番・右翼」で出場し、2回に先発・菅野から先制1号2ランを含む3安打4打点。第2戦では4安打した。4試合で14打数7安打、打率・500、1本塁打、4打点と活躍した。今年4年ぶり2度目のMVP獲得となれば、史上8人目の複数回受賞の快挙となる。
4年前は1軍に定着したばかりだった。年齢は28歳となり、真の主軸としてシリーズに挑む。「世代的にも責任、自覚を持ってやっていますし、変なプレーはできない。打てる時にしか打てないので」。守備から堅実にこなし、チームの勝利のためにベストを尽くす。
3連勝で突破を決めた日本ハムとのCSファイナルSに続き「3番・三塁」での出場が濃厚だ。直後の4番にはCSでMVPに輝いた山川が控える。「不動の4番がいらっしゃるので、僕は次もつなぐだけです」と気負いはないが、今季キャリアハイの87打点をマークした勝負強さにも期待がかかる。
「CSの方が“リーグ1位は負けられない”との思いで硬さは出たかも。(日本)シリーズは最後の7試合と思ってやるだけですかね」。前回MVPから時を経て円熟味を増した攻守でチームを支える。(井上 満夫)