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【筑後鷹】育成8位ルーキーの長水啓真 川越4軍投手コーチはオリックス左腕・田嶋を将来像に描く

スポニチアネックス 2024年10月22日 6時4分

 ソフトバンクの育成ドラフト8位ルーキー・長水啓真投手(19)は公称体重が12球団で最軽量62キロの左腕。体重増や技術面の向上に取り組んだ今季は3、4軍の非公式戦19試合に登板して防御率4・59だった。川越英隆4軍投手コーチ(51)は通算42勝を挙げているオリックスの田嶋大樹投手(28)を将来像として挙げる。細身のサウスポーは伸びしろだらけだ。

 スリムな体に少しずつ筋肉がついてきた。球界最軽量だった長水は、体重を公称から7キロ増の69キロまで増やした。太りにくい体質だが、寮の食事にプラスして工夫しながらプロ仕様のボディーをつくっている。「サプリとか。いろんな先輩に聞いたりして」。現在は筑後ファーム施設で練習に励んでいる。「体力強化は勝手についてくるので、とりあえず体を大きく」と75キロまで引き上げたいイメージだ。

 最速146キロの直球に加え、チェンジアップやカーブなどを武器にしている。5月の3軍戦で1回無失点の上々のデビューを果たしてから、ケガなくシーズンを完走した。この夏にはこれ以上ないパワーをもらった。母校の京都国際が夏の甲子園で初の全国制覇を果たした。エースの中崎琉生(3年)と西村一毅(2年)の両左腕が躍動。自身は高校3年間で公式戦の登板は数試合だった。「うれしかった。技術面とか僕よりいいものを持っていると思う」と同じ左腕の後輩の活躍に刺激を受けた。

 将来性を評価されてプロ入り。格闘家・アントニオ猪木は「元気があれば何でもできる!」という名言を残したが、長水はグラウンドでよく声を出して目立っている。「野球を始めたときから(周囲から)元気はあると言われてきた。元気があれば楽しい。声の大きさは意識してやってます」と胸を張る。根底には野球が楽しいという思いがある。

 川越4軍投手コーチは「バカといったら変ですけど、いい意味で練習からわ~とできるのは凄く大事なこと。プレーや考え方にもつながる」と冗談を交えつつ、その姿勢を高く評価する。投球面ではもっと緩急をつけるために直球の球速を上げることを課題として挙げた。同コーチが将来像としてイメージしているのはオリックスの左腕・田嶋。「切れのいい真っすぐと変化球を投げてくれたら」と期待している。

 フォーム面では縦回転を意識して投げることをこの秋のテーマにしている。「楽をしようとすると横回転になる。縦になると質も上がりますし、安定感も出る」と何度も反復して体に染み込ませている。実りの秋にすべく奮闘中だ。 (杉浦 友樹)

 ◇長水 啓真(ながみず・けいしん)2005年(平17)8月8日生まれ、京都府出身の19歳。京都国際では甲子園出場なし。23年育成ドラフト8位でソフトバンクに入団。背番号160。趣味は星を見ること。1メートル78、体重は公称から7キロ増の69キロ。左投げ左打ち。

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