日本ハム・斎藤友貴哉投手(29)が、来季に大出世を目指す。移籍1年目だった昨春キャンプで負った右膝前十字じん帯断裂の大ケガから復帰した今季は、25試合登板で1勝1敗5ホールド、防御率1・71と飛躍。自ら招いた無死満塁機を2度も無失点で切り抜けたことから、SNSでファンから「さいこう(最高)ゆきや」と呼ばれて大バズりもした。移籍3年目となる7年目は大ブレークの予感だ。
阪神から移籍2年目だった斎藤は今季キャリアハイの25試合の登板。無失点で抑えるたびに、SNSでは愛称が変わり、明るいキャラクターも相まって人気が急上昇した。新庄監督も期待を寄せていた最速160キロの剛腕は、充実感をにじませる。
「ファイターズが(シーズンで)2位だったというのもあるけど、後半は楽しかった思いでいっぱい」
8月下旬から1軍に定着すると、8月27日の楽天戦で自身がつくった無死満塁のピンチを無失点で抑えて、両手を突き上げてガッツポーズ。その姿にベンチで爆笑した新庄監督はインスタグラムに「登録名を“さいこう(最高)ゆきや”に変更させてもらいます」と投稿。SNSでも「さいこうゆきや」の呼び名が広まり、9月4日のソフトバンク戦でも無死満塁を無失点で切り抜けた。
その後は同23日の西武戦で自己最速160キロをマークすると「さいきょう(最強)ゆきや」となり、10月5日の楽天戦でプロ初セーブを挙げてヒーローインタビューでCSに向け「ここから、行くだけ!」と叫ぶと「さいきょういくや」と変化。「(出世魚の)ブリみたいに、どんどん変わった。新庄監督のおかげですね」と受け止める。
だが、不安定な投球を見せる試合もあり、まだ主力と呼べる活躍はできていないが、ポテンシャルの高さは誰もが認める。成長次第では守護神候補にも浮上する。さらなる飛躍を目指し、斎藤も「我慢して使ってもらったのもある。来年も頑張りたい」と気合を入れ直す。水を得た魚のごとく、“さいきょうリリーフ”に成長する大出世を遂げてみせる。(田中 健人)