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ソフトバンク1位・村上泰斗 昨年1位の前田と左右の「両輪」目指す「そうなっていかないと…」

スポニチアネックス 2024年10月25日 5時2分

 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が24日、都内のホテルで行われ、ソフトバンクは1位で最速153キロを誇る神戸弘陵の右腕・村上泰斗投手(17)を指名した。宗山塁内野手(明大)、柴田獅子投手(福岡大大濠)をともにクジで外し、2年連続で高校生投手の1位指名となった。村上は昨年ドラフト1位で順調に成長中の前田悠伍投手(19)と将来の左右エースになると活躍を誓った。

 ソフトバンク1位指名がわかると笑顔が咲き、次いで涙がこぼれ落ちた。村上は「これまでしんどかった日々、全部の思い出がよみがえってきた。やってきて良かったと思えて……」と話すとまた涙をこぼした。

 高校生投手では全国トップの指名だった。同じ兵庫県内でライバルと位置づけていた今朝丸(報徳学園=阪神2位)をしのぎ「勝ったというわけではないが、上の指名でうれしかった」と話した。

 ソフトバンクの印象は「いつも、どの世代でも強い」。そして「あの巨大な圧倒的な戦力の中で自分が食い込んでいけるのかと不安もあります」と正直に言った。だからプロ1年目の目標は「まだまだ体ができていないので、1年目の最後の方に1軍に上がりたい」と謙虚に冷静に自分を見つめている。

 「ソフトバンクは育成システムがしっかりしている」と昨年ドラフト1位の前田悠伍(大阪桐蔭)を例に挙げた。昨年6月に練習試合で対戦、前田は登板しなかった。「高校時代は凄い投手でした。プロでも順調と聞きます」。そして「右の村上、左の前田」の左右両輪という将来像に「そうなっていかないといけません」と口もとを引き締めた。

 大阪箕面ボーイズに所属した中学時代は捕手で、高校入学後に投手転向。135キロだった球速は2年半で最速153キロまでなった。1分間2500~2600回転を記録し、阪神・藤川球児監督の代名詞だった「火の玉ストレート」と呼ばれる。「地面からはい上がるような球を投げたい」。変化球も多彩で目下7種類、さらに2種類を練習中だという。

 座右の銘は「溜(た)めて解放」。神戸弘陵野球部OBでフォロワー186万人の人気ユーチューバー、あめんぼぷらすのしょーた(羽谷勝太)から贈られた言葉で「投球にも何にでも通じる」とプロでの飛躍を誓った。 (内田 雅也)

 ◇村上 泰斗(むらかみ・たいと)2007年(平19)2月20日生まれ、兵庫県出身の17歳。白金小1年から白金メッツで野球を始める。猪名川中では大阪箕面ボーイズで捕手兼外野手。神戸弘陵では2年春から背番号11でベンチ入りし、同秋からエース。3年夏は兵庫大会3回戦敗退。球種はカーブ、カットボール、スライダー、フォーク、チェンジアップ、ツーシーム。50メートル走6秒3、遠投110メートル。1メートル80、76キロ。右投げ両打ち。

 ▼村上の父・高広さん(51) 5人きょうだいで男4人は皆、野球をしていました。泰斗は末っ子ですが、まさかプロになれるとは……。感謝の気持ちを忘れず、人に好かれる人物になるよう育ててきたつもりです。プロでもファンの方に愛される選手になってほしいと願います。

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