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ヤクルト 愛知工大・中村を一本釣り 前日野手指名示唆“作戦”ハマった 高津監督「大きく育って」

スポニチアネックス 2024年10月25日 5時30分

 11球団が1位指名で競合する中、愛知工大・中村優斗の一本釣りに成功したのがヤクルトだった。事前に1位指名を公表したのは広島だけ。各球団が直前までそれぞれの出方を探り合い、検討を重ねてきた結果だった。

 「クジ引きの準備もして、いろんな覚悟をしたけど(単独指名できて)良かった。協議し、シミュレーションをして昨日(23日)決まった」。高津監督はそう言って笑みをこぼした。実は前日のスカウト会議後、1位指名について「いい打撃してるんだよな」と野手の指名を示唆。それも他球団をけん制する戦略だったようで、全ての要素が絡み合った単独指名となった。

 先発陣にパワータイプの投手が少ないチーム事情から指揮官は中村について「体が小さい割に力感があり、縦横の変化も使えてタフ。今のチームに必要な投手で、先発として大きく育ってほしい」と大きな期待を寄せた。

 今ドラフトで最も早く交渉権が確定した最速160キロ右腕は、まさかの単独指名にチームメートから歓声を受けて「ドラフト1位を目標に4年間やってきたので(仲間の)歓声を聞いた時に達成感はありました」。野球は無名校の諫早農(長崎)までで終わる予定で公務員志望だったが、元ロッテで首位打者を獲得した愛知工大・平井光親監督の目に留まった。「大学でプロを目指そう」と口説かれてから4年。夢はプロ野球選手になり、その夢を実現させた。

 大学日本代表の同僚で4球団の競合の末に中日に指名された金丸の存在も意識する。「いつかプロで金丸より活躍したい」。その夢をかなえる戦いが始まった。(秋村 誠人)

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