将棋の藤井聡太竜王（22）＝王将を含む7冠＝が挑戦者に佐々木勇気八段（30）を迎える第37期竜王戦7番勝負第3局は26日、京都市の仁和寺で2日目が指し継がれ、午後6時26分、先手・藤井が99手で勝利した。対戦成績を2勝1敗として4期目の獲得へ再び先行した。
「予想していない戦型になって、こちらがどう攻めの形を作っていくか分からなかった」
戦型は佐々木のダイレクト向かい飛車になった。佐々木が居飛車相手に振り飛車を指すのは2017年以来7年ぶり。第1局を藤井、第2局は佐々木と先手番が制し合って迎えた。今回藤井の先手番をブレイクできれば、7番勝負を先行して自身が先手となる第4局へ持ち込める。その秘策を76手目、佐々木からの金取りの桂打ちにひるまず、5筋へ歩を成り込んで攻め合った踏み込みで制した。
藤井は仁和寺対局4連勝。過去5年、第2、もしくは3局で実施されてきた仁和寺対局を制した棋士は7番勝負も制してきただけに心強い。昨秋、史上初の全8冠独占をウエスティン都ホテル京都で達成したように、京都府対局も7戦全勝と好相性を示した。
第4局は11月15、16日、大阪府茨木市の複合施設「おにクル」で指される。「第2、3局共に押されてしまっている。間隔が開くのでいい状態で臨めるように」。7冠は勝って自らを戒めた。