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元阪神・北條が証言「いい投手」 ドラ1・伊原と今季3度の対戦で感じた“3つの長所”とは

スポニチアネックス 2024年10月27日 5時18分

 元阪神で、今季から社会人野球の三菱重工Westに所属する北條史也内野手(30)が、阪神からドラフト1位指名されたNTT西日本・伊原陵人投手(24)の実力を“プロ目線”で証言した。今季、実戦3試合で対戦した経験を踏まえて(1)ゲームメーク力(2)右打者への原点(3)間違えない制球――と打席から感じ取った3つの長所に言及した。(取材・構成=遠藤 礼)

 北條は「伊原投手について…」と言いかけた問いに、即答した。

 「いい投手ですね。関西の社会人の即戦力は同僚の竹田と伊原君と思っていたので。そう(1位)やろなと思ってました」

 今季、NTT西日本とは練習試合も含め3度戦い、伊原とは計10打席ほど対戦したという。「テンポもいいし、真っすぐで押せるところは例えるなら今永さんですかね」。くしくも25日の指名あいさつの際に藤川新監督も口にした「今永」の名を引き合いに出した。

 北條にとって、「対伊原」で最も印象的な試合が9月18日、社会人野球日本選手権の近畿地区最終予選。5回2/3を7安打1失点だった左腕と3度対峙(たいじ)。3回に放った先制の中前適時打を含む3打数1安打の打席内容を踏まえ、3つの長所に言及した。

 「予選で3打席に立ったんですが、調子は悪かったと思います。真っすぐのキレが良くなかったように見えました。でも試合を壊さなかった。内外角に投げ分けられて打ち取られました。調子がいい時は誰でも抑えられると思うんですけど、調子が悪かった時に抑えられたのでいい投手だなと感じました」。試合に臨むにあたり野手陣は「真っすぐに振り負けない」「低めは捨てる」「浮いた変化球を仕留める」の3点を“伊原攻略”の合言葉にしたが、7安打を浴びせながら1点止まりで、北條は「自滅がない」と振り返った。

 この一戦を含め、すべての打席で感じたのが「右打者のアウトコースにいい真っすぐを投げ込んでくる」という伊原の原点能力の高さ。「背は高くないと思うんですけど、いいところに投げ込んでくる」と最速149キロ以上の速さを感じる直球の印象を口にした。

 そして持ち味の直球がいまひとつでも、伊原には制球力という、もう一つの武器がある。「あの試合も球のキレは良くなかったけど、制球良く投げ切られたから抑えられた。キャッチャーのサインにもしっかり応えて投げ切ってるイメージ。キャッチャー次第でいろんな投球ができるんだと思う」

 プロの打者目線で語られた伊原の3つの長所は、タテジマに袖を通しても色あせることなく、即戦力左腕の投球を支えていく。

 ◇北條 史也(ほうじょう・ふみや)1994年(平6)7月29日生まれ、大阪府出身の30歳。光星学院(現八戸学院光星)では2年春から4季連続で甲子園出場し、2年夏から3季連続で準優勝。12年ドラフト2位で阪神入りし、23年限りで退団。通算455試合で打率・255、18本塁打、113打点。今年から三菱重工Westでプレー。1メートル77、80キロ。右投げ右打ち。

 ≪日本選手権へ気合「1試合でも長くという気持ち」≫

 ○…北條は三菱重工Westの主力として、29日開幕の日本選手権に臨む。初戦は11月3日の日本製鉄鹿島戦。「負けたら今年終わり。(DeNA1位指名の)竹田も最後の試合になるんで1試合でも長くという気持ち」と意気込んだ。ベスト8に進出した7月の都市対抗以上の成績を目標に掲げ、「自分が打てば最高ですけど、とにかくチームが勝てばいい。その気持ちでいきます」と頂点を見据えた。

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