オリックスからドラフト1位指名された麦谷(富士大)が26日、指名後の初実戦で、いきなり躍動した。明治神宮大会への出場権をかけた東北地区代表決定戦1回戦・東北公益文科大戦(ヨークいわき)に「2番・中堅」で先発出場。俊足を生かした“中前二塁打”を放つなど3打数2安打1打点1盗塁で、10―2の7回コールド勝ちに貢献した。
「(ドラフト後で)独特の緊張感はありましたけど、やってきたことは変わらない。勝つことだけを追い求めているので、勝つことができて良かった」
50メートル走5秒85の俊足を見せつけたのが、2―2の3回1死で迎えた第2打席。二遊間を破る中堅右への安打で一気に二塁を陥れた。
「相手のシートノックとかを見ていたし、外野が下がっていたから、打った瞬間に“行こう”と」
好走塁をきっかけにこの回に決勝のホームを踏んだ。5回先頭の第3打席では四球を選ぶと、すかさず二盗。5―2の6回無死満塁の第4打席は左前適時打でダメを押した。
ドラフト後は知人からの祝福メッセージが300以上届き「まだ返せていない人も」とはにかんだ。今季リーグ最少の61盗塁に終わったオリックス。期待のドラ1が“足戦力”としても頼もしい存在になりそうだ。
◇麦谷 祐介(むぎたに・ゆうすけ)2002年(平14)7月27日生まれ、宮城県仙台市出身の22歳。健大高崎(群馬)を1年で中退し、転校した大崎中央(宮城)では甲子園出場なし。富士大では1年春からリーグ戦に出場し、外野手でベストナイン3度。3年時に全日本大学選手権で青学大・下村(現阪神)から、明治神宮大会で同・常広(現広島)から本塁打を放った。1メートル80、81キロ。右投げ左打ち。