「ポスト村上」を逆輸入だ。ヤクルトから育成ドラフト1位で指名されたノースカロライナA&T州立大・根岸辰昇内野手(24)が都内で指名あいさつを受け、先輩になる村上との不思議な縁を明かした。
「村上さんが自分の大学のグラウンドで練習をされていて、ボール拾いを手伝わせてもらったり、会話もさせていただいた」
慶応高から米国で3つの大学を渡り歩いた異色の経歴を持ち、20年1月に在籍したオレンジコースト短大のグラウンドで自主トレした村上と対面した。その前にも接点があり、高2春の練習試合で1学年上の村上を擁する九州学院と対戦。「右翼席上段に凄いホームランを打ってビックリした」。同じ左打者で参考にする部分も多く、「一番お手本になる選手が身近にいることは本当にありがたい」と目を輝かせた。
高3夏の甲子園では5番に座るなど潜在能力は高く、今年は米国でのリーグ戦で打率・374、8本塁打、38打点を残したという。橿渕聡スカウトグループデスクは「広角に長打が打てる。右左の違いはあるけど、DeNAの牧選手のようなタイプ」と評価。村上は再来年にもメジャー挑戦の可能性があり、「1軍でのプレーが1年目の目標」と憧れの存在と共闘するためにも、一日も早い支配下登録を期した。(重光 晋太郎)
◇根岸 辰昇(ねぎし・たつのり)2000年(平12)9月20日生まれ、東京都出身の24歳。小学1年から杉並イーグルスで本格的に野球を始める。慶応中から慶応高に進み、18年夏の甲子園に出場。卒業後の19年9月にオレンジコースト短大に進学。21年9月にミドルテネシー州立大、23年9月にノースカロライナA&T州立大に進んだ。1メートル80、95キロ。左投げ左打ち。