◇秋季高校野球九州大会準々決勝 柳ケ浦3ー0育徳館(2024年10月28日 別大興産)
柳ケ浦(大分)は育徳館(福岡)に3―0で勝利し、2005年以来20年ぶりの選抜に大きく前進した。先発した宮城介(1年)が6回2安打無失点、5番打者として3安打と投打に躍動した。
沖縄から来た16歳が柳ケ浦復活の旗印になった。先発した宮城が6回無失点の好投。この九州大会から背番号1をつける1年生左腕は「緩急を意識して投げられた」と笑みを浮かべた。26日の1回戦・龍谷戦と合わせ10回無失点とした。
元巨人の脇谷亮太や山口俊を生んだ伝統校。宮城は沖縄県名護市出身だが「内地の高いレベルでプレーしてみたい」と門を叩いた。最速は133キロという直球を軸にスライダーやフォークを低めに集めて的を絞らせなかった。左打者としてもセンスがあふれる。初回に右前打を放つなど3安打。「投打両方好き。自分の一打で流れを変えたいと思ってやっています」と力強く語った。
小学生の時、名護市で春季キャンプを張る日本ハムの野球教室に参加し、大谷翔平(ドジャース)に指導を受けた。「大谷選手にトスしてもらってバッティングをしました。うれしかった」。海の向こうでワールドシリーズを戦うヒーローへの憧れが、二刀流を磨く力になっている。
20年ぶりの聖地はぐっと近づいたが「まだ甲子園は考えていない。一戦一戦、大事に戦いたい」と気を引き締めた背番号1。鈴木聡監督は「1年生なんですけど、動じず丁寧に投げてくれた」と頼もしそうに見つめた。
(杉浦 友樹)
◇宮城 介(みやぎ・かい)2008年(平20)9月19日生まれ、沖縄県名護市出身の16歳。幼稚園の頃に野球を始める。中学は2年間久辺中軟式野球部に所属し、最後の1年は硬式の沖縄本部ポニー。高校では1年夏からベンチ入り。1メートル71、75キロ。左投げ左打ち。