夢は大きく「令和のイチロー」だ。オリックスからドラフト1位指名された麦谷祐介外野手(22)が28日、岩手県花巻市の富士大で福良淳一GM、岡崎大輔スカウトらの指名あいさつを受けた。俊足強肩の左打ち外野手は、偉大な先輩を大目標に定めた。
「イチロー選手を目標に。自分が名前を挙げるのも申し訳ないですけど、本当に素晴らしい選手なので少しずつでも追いつきたい」
イチロー氏がオリックスからメジャーに挑戦したのは00年オフ。02年生まれの麦谷はリアルタイムでは知らないものの、日本時代のプレー映像も「オリックスさんに指名される前から見ていた」という。幼少期は、海の向こうで大活躍する姿に胸を躍らせた。
「BS中継で。安打集みたいな感じのものも見ていました」
今秋の北東北大学野球リーグでは優秀選手、最多本塁打、最多打点、最多盗塁の各賞を受賞してベストナインに選ばれた。打撃の確実性は課題だが、守備力、走力は既にプロレベル。1メートル80、81キロの体格も現役時代のイチロー氏とほぼ同じだ。
イチロー氏と1、2番コンビも組んでいた福良GMは、麦谷の言葉に「いいんじゃないですか。イチローを超えるぐらいになってくれれば」と笑み。岡崎スカウトも「プロの投手に慣れれば、3割、30本、30盗塁もできる」と期待した。
「1年目からレギュラーをつかみ取ってほしいと言っていただいたので、それを胸に今日から練習したい」と麦谷。憧れの大スターと同じユニホームで躍動する日が待ち遠しい。(山添 晴治)
<麦谷アラカルト>
☆生まれ&サイズ&投打 2002年(平14)7月27日生まれ、宮城県仙台市出身の22歳。1メートル80、81キロ。右投げ左打ち。
☆球歴 小学2年で楽天イーグルスベースボールで野球を始め、中学時代は楽天リトルシニアでプレー。高校は健大高崎(群馬)に進学も1年時に大崎中央(宮城)に転校。甲子園出場はなし。富士大では三拍子そろった外野手として活躍。
☆大物キラー 3年だった昨年は春、秋の全国大会で青学大の下村(同年ドラフトで阪神1位)、常広(同広島1位)から本塁打。尊敬する富士大の2学年上の金村(日本ハム)とは「紅白戦で本当に相性が良くて。サイクル安打で、本塁打2本打っている」。
☆被災 8歳で東日本大震災を経験。「家からも津波が見えた。亡くなった人の思いも背負って、仙台出身として野球に真摯(しんし)に取り組みたい」。