阪神・伊藤将司投手(28)が28日、甲子園球場で行われた秋季練習でブルペン入りし、約40球を投げて直球の感覚を確認した。藤川球児新監督(44)の前では初めてとなった投球で、復活に向けて太鼓判をもらった。4年目の今季は自己ワーストの4勝止まり。巻き返しを期し、11月1日から高知県安芸市で始まる秋季キャンプ中に行われる紅白戦の登板にも意欲を見せた。
ミットを叩く乾いた音が甲子園の通路に鳴り響いた。伊藤将が初めて藤川新監督の前でブルペン入り。直球を中心に約40球を投げた。不調が長引き、途中で離脱した先発ローテーションを来季は死守すべく、新指揮官の前で猛アピールした。
「ストレートをしっかり投げれば、変化球も勝手に良くなるので、まずストレートを意識してやりたい」
課題を認識し、テーマを設定して腕を振った。今季4勝に終わった原因には、フォームの不安定さを挙げる。「フォームのばらつきだったりとか。映像を見てちょっとした違いがあったので、そこを修正できたら」。ポイントは左肩の動き。10勝した21、23年とは違う投げ方になってしまっていた。
「左肩が動いている時が一番良い状態。そこが固まって(左肩が)上がらずにこのまま(球を)上に投げている感じだったので、そこの修正をしている」
投げ込みを間近で見ていた指揮官は「鍛えながら自分の課題に取り組んでいる。良い活躍をするのでは」と太鼓判を押した。開幕当初の状態はテレビ解説などの際にチェックしており、「右打者に内角を投げようとするのが抜けていた」という指のかかり具合が修正されていることに目を細めた。「春と全然違う。凄くいい兆候」。V奪回には欠かせない存在。先発ローテーションを守ってほしいか、との問いに藤川新監督は「当然。良い活躍をするのでは」と力強くうなずいた。
伊藤将は秋季キャンプで行われる予定の紅白戦の登板にも「投げる気ではいます」意欲満々。同じ左腕で先発候補でもあるドラフト1位・伊原の加入にも「自分のことだけやっておけばいい」と強調した。「真っすぐの状態を戻せるように、今年(の状態)を来年に続かないようにするだけ」。背番号27が逆襲へ燃えている。(杉原 瑠夏)