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ソフトバンク・小久保監督「ただ、4つ勝てばいいというだけ」 “世界新”の日本S15連勝へ気負いなし

スポニチアネックス 2024年10月29日 5時2分

 “世界新”で王手をかける――。ソフトバンクの小久保裕紀監督(53)は28日、空路で帰福した。29日からは本拠地でのSMBC日本シリーズ2024第3戦。敵地連勝し、同シリーズ14連勝中だ。ワールドシリーズでの名門ヤンキースのMLB記録と並んでいる連勝を15に伸ばせば“世界新記録”となる。右足首捻挫の影響でDHのない1、2戦は代打要員だった近藤健介外野手(31)も、「5番・DH」でスタメン復帰が決定的。頂点までの完走を誓った。

 近藤のスタメン復帰で勢いは加速する。羽田空港で対応した小久保監督は、上機嫌でリーグ首位打者のDHでの起用を明言した。

 「最終的に練習を見てからですけど明日(29日)は基本的にはD(H)で入れます」

 敵地で始まった日本シリーズ1、2戦はDHがない。右足首捻挫の影響が残る近藤を代打待機させた。「CS(ファイナルS)の開幕の日が一番、よかった。試合に出てやっていくうちに、痛みが当然ある」と指揮官は説明。ただ「不動の5番」が不在でも敵地2連勝。「大きかったですよ」と振り返った。

 26日の第1戦では2点リードの8回1死二塁、代打で登場した近藤は、瞬時に申告敬遠で勝負を避けられた。ただ、移籍後初の日本シリーズの舞台は体感し「雰囲気は味わうことができた」と前向きだ。本拠地ではスタメンで日本一奪回に貢献する準備が整った。

 27日の第2戦の試合前練習後に近藤は「ドームはDHでいけると思います。CSで少し違和感が出てしまって守りに関してはもう少しかかる部分はありますが、打撃は問題ない」と力を込めていた。その試合後も、本拠地3連戦をDHで完走可能か問われると「そのつもりです」ときっぱり。CSファイナルS3連勝突破に続くスイープへ、頼もしい男の主軸復帰となる。

 小久保ホークスは、ポストシーズン無傷の5連勝中。さらに日本シリーズに限れば、球団は18年の広島との第3戦から27日の第2戦までシリーズ記録を更新する14連勝を成し遂げた。きょう29日の第3戦では日本一王手に加え“大記録”もかかる。ワールドシリーズではヤンキースが96年第3戦から00年第2戦まで記録した14連勝が最長。15連勝すれば孫正義オーナーが掲げる「めざせ世界一!」のスローガンを体現する“世界新”となる。

 そのタクトを振るのが新人監督最多となる91勝でリーグを制した小久保監督。地の利も生きる本拠地だが「ただ、4つ勝てばいいというだけ」と冷静だ。あと2つ。さらに重厚となる打線のもと、頂点まで駆け上がる。(井上 満夫)

 〇…メジャーではヤンキースが、0勝2敗で迎えた96年の第3戦からブレーブスに4連勝して世界一に。98、99年はパドレス、ブレーブスに対し、それぞれ4連勝。00年はメッツに2連勝し、14連勝を達成。第3戦で敗れて連勝は止まったが、このシリーズも4勝1敗で制し、世界一になった。

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