侍の“ジョーカー”になる。日本ハム・五十幡亮汰外野手(25)が28日、11月の「ラグザスpresents第3回プレミア12」に出場する侍ジャパンの宮崎合宿に集合した。29日から始まる日本代表練習に備え、ソフトバンクとのCSファイナルステージで敗退した後も、千葉・鎌ケ谷での秋季練習に参加し調整を続けてきた。万全の準備を整え、球界屈指の韋駄天(いだてん)が世界の舞台で輝く。
自身初の侍ジャパン入り。五十幡は自身の役割は理解している。最大の武器はもちろんその脚力。シーズンで日本シリーズに進出できなかった悔しさを国際大会にぶつけるつもりだ。
「緊迫したゲームでの1点欲しい時、プレッシャーが掛かる場面での起用が多くなると思う。自分が経験させてもらったことを生かしてやるだけ」
今季は代走としての役割が多く、94試合の出場だったが、チーム2位の18盗塁をマーク。ポテンシャルを考えれば物足りない数字だが、塁上にいるだけで足を警戒するバッテリーへのプレッシャーにもつながっていただけに、数字以上の存在感を放った。
侍の歴史を語る上では、足のスペシャリストの存在は欠かせない。前回の19年大会では、スーパーラウンドのオーストラリア戦で1点を追う7回に代走のソフトバンク・周東が二盗、三盗を決めて同点の生還。逆転勝利し、大会初優勝まで突っ走った。その周東からも「シーズンより(投手の)クイックは速くないから大丈夫」と励まされたといい「自分のベストを尽くせるように準備を大切にしたい」と意気込む。
今回の侍メンバーには、同学年の牧や、1学年下の西武・古賀、2学年下の阪神・森下など、中大でともに青春時代を過ごした仲間とともにプレーする。メンバー選出後は、牧から冗談めかして「連絡がなくね?」と言われ、仲の良さをうかがわせる。「一緒にやっていたみんなでできるのは凄いことだしうれしい。中大で目立てるようにしたい」と五十幡。日本の切り札となり、「ISOBATA」の名を世界にとどろかせる。(田中 健人)