◇ワールドシリーズ第3戦 ドジャース4ー2ヤンキース(2024年10月28日 ニューヨーク)
ドジャースの大谷翔平投手(30)が28日(日本時間29日)、敵地でのヤンキースとのワールドシリーズ(WS)第3戦に「1番・DH」で先発出場。第2戦で二盗を試みた際に左肩を亜脱臼して左肩の状態が心配されている中、3打数無安打、2四死球に終わったが、四球で出塁した初回と進塁打を放った3回にそれぞれフレディ・フリーマン内野手(35)の先制2ラン、ムーキー・ベッツ外野手(32)の適時打を呼び込み、3得点に絡む活躍でチームの3連勝に貢献した。開幕3連勝を飾った過去24チームは全て世界一に輝いており、悲願の世界一へ王手をかけた。
大谷は勝利が決まると、ナインとハイタッチ。他の選手が軽々とベンチを乗り越えてマウンドに駆け出したが、左肩亜脱臼の大谷は慎重にベンチを乗り越えて歓喜の輪に加わった。
過去119回のワールドシリーズで、開幕3連勝(引き分け含む)を果たしたチームは延べ24チーム。いずれも世界一に輝いており、優勝確率は100%だ。うち1910年のアスレチックス、1937年ヤンキース、1970年オリオールズの3チームを除いた21回は、いずれも4連勝で世界一となっている。
試合後の大谷の一問一答は以下の通り。
――今日のスイングで空振りした時に顔をしかめた。ファウル、空振りのどんな動きで痛みを感じるか。
「打席の中ではあまり覚えてないというか、痛い、痛くないって感じは顔にどの程度出ていたかよくわからないですけど。あまり考えてはなかったですかね」
――フリーマンが自打球当たった後にシングルで三塁まで行った。はたから見れば無理じゃないかという状況で、それを超えられる、挑める力はどこから出てくるのか?
「それはフレディに聞いてもらって(笑い)僕は彼の状態は彼自身でないと分からないですし、どうなんですかね。こういう舞台だとアドレナリンが出て、ある程度の痛みに耐えられるのかもしれないです」
――チームでケガ人多く、いろんな人がカバーしてきた。チームからどんな言葉かけられた?どう励まされた?
「僕自身に対してというか、チームミーティングもそうですし、チームディナーもですけど、皆がモチベーション高く保てるように一人一人がそういう声がけがいいんじゃないかなと。僕自身というよりかは皆でそういうふうにやっていこうという気持ちはするんじゃないかなと思います」
――今回のケガ直後は何かあったのか?
「僕はLAに残っていたので、ニューヨークでチームディナーがあったんですけど、僕は検査で行けなかった。そこの状況はちょっと分からないですけど、僕自身は最善を尽くして今日まず出られる状況を、しっかりと結果残せる状況にしようとは思っていました」
――試合前にマンシーが大谷が「出られる」とテキストメッセージを送ったと言っていたが、どういう思いで送ったのか。
「出られるという気持ちというか。実際に検査を受けて、処置をすれば出られる状況ということだったので“自分のベストを尽くしますよ”っていうことです」
――チーム不安を取り除きたかった?
「チームの士気だけは下げたくなかったですし、ケガ人もいる中で、フレディもそうですけど、皆が万全の状態で必ずしも出ているわけでないので。皆どこかしら痛みを抱えながら出ている選手も多いと思うので、その中で自分のできることをしっかりやれればいいんじゃないかなと思います」
――痛みが引いてきたということだが、出場に迷い、不安はなかったか?それよりも出たい気持ちが強かったのか?
「出られるなら出たいというか、出る準備をするのが当然のことではあるので。その上でチームが出てほしいというか、必要だって言ってくれるのであれば、最善の準備をして試合に臨みたいなって感じですかね」
――痛みとしては走るときの方が痛いのか。(スイングで)振り切った時に痛いのか?
「試合の中ではもう痛い、痛くないはあまり考えてないので。痛くない気持ちでやっています。悪化だけはしないようにやれること、走塁の時とか最低限のやれることは継続してやりたいなと思います」
――寝る時が大変じゃないかと思うが、右側を下にもできないし、左側も下にできない。寝るときや過ごし方の工夫は?
「ドクターに言われているのは、なるべく固定して。枕を挟んで固定したりとか、寝てない時は逆に動かして、固まらないようにするのがいいと言われました」