NHKは29日、2025年度後期の連続テレビ小説「ばけばけ」ヒロイン発表会見を行い、ヒロインは高石あかり(21)に決定したと発表した。制作統括・橋爪國臣氏が取材に応じ、過去3番目に多い2892人から高石を抜てきした理由を明かした。
朝ドラ通算113作目の同作は、「怪談」などを記した明治時代のアイルランド人英語教師ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の妻・小泉セツをモデルに、夫婦の絆を描く。原作はなく、フィクションとして再構成して描く。脚本はNHKドラマ「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」などを手掛けたふじきみつ彦氏(49)。撮影は島根・松江で来春開始する予定。
高石は、物語の舞台となる明治時代にちなんで着物姿で会見に登場し、「小さい頃から朝ドラヒロインになるのが夢でした」と告白。過去に「舞い上がれ!」「あんぱん」のヒロインオーディションにも参加しており、“三度目の正直”で夢をつかんだ。
高石が朝ドラに出演するのは初めて。2014年にavex主催キッズコンテストを経て芸能界入りし、2019年に女優として本格始動したばかりだが、阪元裕吾監督映画「ベイビーわるきゅーれ」などの演技が光り、第15回TAMA映画賞・最優秀新進女優賞や同年の第19回山形国際ムービーフェスティバルで船越英一郎賞(最優秀俳優賞)を受賞するなど、頭角を現していた。
橋爪氏は、オーディションでの高石の印象を問われると「この子なんだなって思うくらいピッタリだった」と第一印象から好印象だったと告白。また高石の知名度について問われると「知名度は元から考えていなかった」と説明。「最終選考に残ったのは9人でした。中には、知名度が抜群に高い人もいました」と明かした上で、「知名度に関しては、ほとんど気にしていなかった。一番素晴らしいと思う人を純粋に選んだ」と満足気。「朝ドラのオーディションはそれができる、ありがたい場だと思っていて、それを生かしたいと思っていました」と胸を張った。
ヒロインオーディションは今年6月から募集を行い、2892人が応募。応募者数は「あんぱん」「カムカムエヴリバディ」についで3番目に多かった。書類選考・動画選考・面談・カメラテストなどを経て9月に決定した。