◇ワールドシリーズ第3戦 ドジャース4ー2ヤンキース(2024年10月28日 ニューヨーク)
ドジャースのウォーカー・ビューラー投手(30)が28日(日本時間29日)、敵地でのヤンキースとのワールドシリーズ第3戦に先発。5回2安打無失点と力投し、チームの3連勝に貢献した。
立ち上がりは先頭・トーレスを四球で歩かせたもののソトを左飛に打ち取ると、ジャッジは空振り三振、スタントンは遊ゴロと上位打線を打ち取り、無失点。3回までは相手打線を無安打に封じた。
4回1死からスタントンに初安打となる二塁打を許すと、2死からボルピにも左前打を浴びたが、生還を狙った二塁走者・スタントンを左翼手T・ヘルナンデスが好返球で刺し、失点を阻止。5回まで許した安打はわずか2本で、ヤンキース打線を寄せ付けなかった。
試合後、早いカウントで直球が良かったのではと尋ねられたビューラーは「以前の感覚に少し戻った感じですかね。少し近づいた感じです」とし「試合の序盤でいくつか空振りを取れたことで、今日は良い感じかもしれないと思えて、気持ちがリセットされた。とても良い感触でした」と好感触をつかんだことでそのまま好投につながったと振り返った。
また、投げている時の気分を「最高です」とうなずき「私たちはプロの野球選手として生計を立てています。うまくいっているときは、この地球上で他に何をするよりも素晴らしい」とこの上なく最高の気分とした。
また、4回には右翼手・ベッツがチザムの打球を好捕すると、2死二塁からはT・ヘルナンデスがボルピの左前打で生還を狙った二走・スタントンを好返球で本塁で刺し、失点を阻止。外野守備について「ムーキー(ベッツ)のプレーは興味深かった。ボールが少し変な回転をしていて、ちょっと後ろに下がってプレーをしました。彼はゴールドグラブを何度も受賞しているので、そういうプレーが期待できます」と称え「テオスカー(T・ヘルナンデス)がスタントンを本塁でアウトにして、ダッグアウトに戻ったときに、“ニューヨークではテオスカーの肩のことを知らないんじゃないか”と言いました。公式戦でここで対戦したときの彼のプレーを覚えていてもいいのに。完璧なスローを見せてくれて、捕手ががタッチをしました。大きな意味を持つプレーでした」と笑った。
続けて「私は最初の数イニングは順調だったけど、ヤンキース打線がが少し勢いをつけてきた。それを抑え込んだのは素晴らしかった」と野手陣の守りが好投をアシストしてくれたと感謝した。
ポストシーズンは通算18試合に登板し4勝4敗、防御率3・07。大舞台での強さについて「自分を奮い立たせるにはアドレナリンが必要だと思う。シーズン中もずっとその感覚が欲しかった。毎試合、興奮してマウンドに上がっていると言っても、ポストシーズンでは何かが違う。個人的には、このプレーオフを戦い抜けることが本当に励みになる」とポストシーズンは独特なアドレナリンが出ると語る。
そして「今日の試合に勝つためにチームが自分に頼っているという感覚は重荷にもなるけど、自分にとっては好きな重荷で、特別な精神状態に導いてくれる。この感覚は簡単には再現できない」と自身にかかる期待やプレッシャーが自分にとってはカンフル剤になると笑った。
自身の好投もあり、チームは3連勝で世界一に王手をかけた。「明日がどうなるかが楽しみです。もし第7戦があるなら準備はできていますが、もう投げなくてもいいことを願っています」と4連勝でのワールドシリーズ制覇を願った。