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注目の女優・瀧内公美 ひとり芝居に挑戦「勝負に出た作品」 映画「奇麗な、悪」

スポニチアネックス 2024年10月29日 18時1分

 「火口のふたり」「由宇子の天秤」などの映画をはじめ、NHK大河ドラマ「光る君へ」やTBS「ブラックペアン シーズン2」などで実力派として注目を集める女優・瀧内公美(35)がひとり芝居に挑んだ映画「奇麗な、悪」が2025年2月21日に東京・テアトル新宿から全国で順次公開されることが10月29日発表された。

 原作は芥川賞作家・中村文則氏(47)が2007年に発表した短編小説「火」で、映画界のレジェンド奥山和由氏(69)が「RAMPO」以来、30年ぶりに劇映画の監督を務めた。放火を犯した女が精神科医にひたすら自らの生涯を独白していく話を78分にまとめた。

 中村氏は「映画は、小説よりもどこか“前”を向いている印象がある。瀧内さんによる、奥に芯(しん)の見える主人公像もそうだった。この映画はこのように完成したことで、“火”の主人公を救ったのかもしれない。あらゆる文化が平均化していく中で、このような作品が日本映画にあることが、うれしい」とコメントを寄せた。

 主演の瀧内も「2022年6月28日、とっても不思議な映画の企画が届きました。ひとりの女性が延々と喋(しゃべ)り続けている。果たしてこれは映画として成立するのか?突飛な企画過ぎるけど、ひとり芝居の経験がない私は挑戦してみたいと思いました。そしてこの女性はこれだけ喋り続けているけれど、このひとが“言わないこと”、“言えないこと”ってなんだろう?を探し続けることとなりました。奥山監督をはじめ、スタッフの皆さんと大勝負に出たこの作品をどう受け取ってくださるのか楽しみにしています」と観客とのキャッチボールに期待を膨らませた。

 奥山監督は「20世紀を代表する映画監督、イングマール・ベルイマンは晩年『A SPIRITUAL MATTER』という女優の一人語りの脚本を仕上げ、映画化を熱望した。にも関わらず、あまりにも突飛なコンセプト故に出資者が見つからず実現出来なかった。自分の才能はかの巨匠の足元にも遥かに及ばないが、最後にそのような映画を作りたいと思ったベルイマンの想いは相似形のものとして痛いほど理解できる。幸運なことに自分は中村文則の魅惑的言葉と瀧内公美の演技力に恵まれ、実現出来た。さらに(「鎌倉殿の13人」などを手掛けた)撮影監督の戸田義久さん、口笛奏者の加藤万里奈さん始め才能豊かなスタッフの方々が集まってくれた。本当に幸せな映画だと思う。そして我が映画人生の最後にこのようなわがままを許してくれた全ての方々に心底感謝している」と話している。

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