広島・田中広輔内野手(35)が29日、マツダスタジアムで自主練習を行い、12年目を迎える来季は不退転の決意で臨む覚悟を示した。今季は66試合出場で、うち先発は17試合。打率・156で、9月下旬に出場選手登録抹消となったベテランは「もうひと踏ん張りするか、そのまま終わるのかは僕次第」と来季へ危機感をにじませ、再起を期した。
田中が発した言葉の節々から、危機感が感じられた。来季は不退転の決意で臨み、1軍定着、出場増へ闘志を燃やした。
「立場も立場ですし、その中で結果を出さないといけない。ここから、もうひと踏ん張りするか、そのまま終わるかは、僕次第なので、頑張りたい」
今季は66試合の出場で打率・156、2本塁打、7打点。先発出場はわずか17試合に止まり、出場の半分にあたる33試合は代打での登場だった。しかし、代打でも31打数2安打で打率・065と苦戦を強いられた。「大事なところでの代打は、難しさを感じた」。1打席勝負が続く中、力不足を痛感した。この反省を生かすため、今オフは精神面の強化に注力する。
「精神面のコントロールは難しいが、でも、そこは自分でコントロールできる部分。そういったところを考えながら、勉強してやっていきたい」
勝負強さを発揮するためにも、準備の段階から、精神状態を整える必要性を感じていた。今季はシーズン終盤に進むにつれて出場機会が減少したが、1軍の同行は続いた。その意味を考察し、自らの役割にも目を向けた。
「僕が(1軍に)いる意味、メリットがあるから、そこにいたというのは自負してやっていたし、今後もやりたい。その中で、誰にも文句を言われないような結果、数字で表したい」
リーグ3連覇を果たした16~18年は主力選手として活躍した田中も来年7月3日で36歳になる。ベテランとしてチーム内での存在意義を考えた。今季は9月20日に出場選手登録を外れ、不完全燃焼のままシーズンが終了。チームが覇権争いを展開した中で、戦力になれなかった悔しさをのぞかせたが、気持ちは来季に向かっている。
「(調子の)波を小さくして、自分の与えられたポジションでいかに存在感を出していくか。自分の立場も、役割もあるので、ちゃんと試合の頭から出られる体はつくろうと思いますし、どこでもいける準備をしていく」
勝負の25年シーズンへ挑戦は既に始まっている。(長谷川 凡記)