◇ワールドシリーズ第4戦 ヤンキース 11ー4 ドジャース(2024年10月29日 ニューヨーク)
ヤンキースは29日(日本時間30日)、本拠ヤンキースタジアムで行われたワールドシリーズ(WS)第4戦でドジャースを11-4と破り、3連敗から初勝利を挙げた。WSでの11得点はドジャースを4勝2敗で下した1978年の第5戦(12-2)以来の大量得点。第5戦は30日(同31日)にヤンキースタジアムで行われる。
第3戦まで打率.083の「7番・遊撃」アンソニー・ボルピ(23)がスイープの危機からチームを救った。1-2で迎えた3回2死満塁でドジャース2番手ハドソンの初球、低目のスライダーをとらえて左中間へ逆転の満塁本塁打。「必死だった。速球に合わせようとしていた。ボールを見て、楽に振って、速球に合うように…打ったことは覚えていない。ボールが消えた瞬間、記憶が飛んだ」
0-2の2回に四球を選んで二盗を決めながら、8番・ウェルズの中堅フェンス直撃の二塁打で打球判断を誤って三塁でストップ。反撃ムードがしぼむミスと思われたが、9番・バードゥーゴの一ゴロの間に生還して事なきを得た。そのミスを取り返す満塁弾に加え、6-4で迎えた8回には二塁打の後に三盗を成功させ、バードゥーゴの二ゴロで本塁を陥れて(記録は野選)貴重な追加点。チームはこの回、1番・トーレスの3ランなど一挙5点で試合を決めた。地元ニューヨーク出身で、昨年は新人遊撃手としてMLB史上3人目の20本塁打・20盗塁を記録した“ジーター2世”の活躍に、トーレスは「凄い。ボルピは今夜、全てをやってのけた」と称えた。
本拠で待望の1勝を挙げ、2009年のWSでMVPに輝いた松井秀喜氏(ヤンキースGM特別アドバイザー)が始球式を務める第5戦の開催を実現させた。7回2死から守護神ウィーバーを投入したアーロン・ブーン監督は「良い夜だった。明日もまたチャンスがある」とホッとした様子。第5戦はエース右腕のコールが第1戦から中4日で先発。トーレスは「球界最高の投手。僕たちは本当に彼を信頼している」と話しつつ、「彼にプレッシャーをかけないで済むように、今夜のような仕事をしないといけない」と打線の援護を誓った。