◇ワールドシリーズ第4戦 ドジャース4ー11ヤンキース(2024年10月29日 ニューヨーク)
チームを救うロングリリーフだった。ドジャースのランドン・ナック投手(27)が4回から3番手として登板。4イニングを確実に投げ、ブルペンデーだったこの日の、リリーフ陣の消耗を最小限にとどめた。
勝てば頂点に立つことのできる一戦。2―5と、もう1点も許すことのできない場面でワールドシリーズ初めての登板機会は巡ってきた。先頭のバードゥーゴに右前打を許したが、1番・トーレスを落ち着いて二ゴロ併殺に仕留め、続く好調のソトはカーブでタイミングを外し二ゴロ。「できるだけカウントで有利に立とうとしたし、球種をうまくまぜて投げようと心がけました。今日はとにかく調子を整えて、チェンジアップも使って攻め続けることを意識した」。4―5の5回にウェルズに本塁打を許したが、失った点はこの1点のみ。4回2安打1失点と安定感ある投球で後続にバトンをつないだ。
危機管理を最大限に考えて、マウンドに上がった。「できるだけ多くのアウトを取って、明日に向けて投手陣を温存しようというのが自分の頭にありました」。今季、メジャーデビューを果たし、レギュラーシーズンでは12試合に先発。長いイニングを投げる経験はあるだけに、一つでも多くアウトを積み重ね、投手陣の消耗を最小限にとどめることが最大のミッションだった。
メジャー1年目でも冷静に大役を務め上げた。「ベテラン選手、特にブレイク(トライネン)からのアドバイスを受けました。ワールドシリーズだからといって余計なことをしようとせず、普段どおりのプレーに徹することが大事だと教えられました。試合に入ってからは良い感じで投げられました」と言う。
ナ・リーグ優勝決定シリーズ以来の登板で、使命を果たし「ワールドシリーズでも投げられたので、この経験を来年にも生かしたい。自分が求めていた場所にボールをコントロールできていたので、個人的にはかなり満足です」と笑顔を見せた。
明日はベンチからフラーティとコールの投げ合いを見守ることになる。「2人とも最高の選手で、対戦を見られるのは楽しい。一歩も譲らない投手戦になるはずです。ウチはブルペンが休養も取れていて、準備も整っていて、いいスポットにいる。フラーティがカウントで有利に立ち、相手打者を攻めてくれるはずですし、すごく楽しみです」と世界一に向け、全力で味方を鼓舞する構えだ。