オリックスからドラフト4位指名を受けた三菱重工East・山中稜真選手(23)が30日、大阪市内のホテルで牧田編成部副部長、佐野スカウトから指名あいさつを受けた。
「まずは開幕1軍を目指して、そのためにも怪我しないことが一番だと思うので。準備の段階をしっかり踏まえた上で、チームに欠かせない存在になれるように頑張っていきたい」
三菱重工East・佐伯功監督(49)が「打球速度が社会人ではレベルが違う」と語れば、昨オフにアマチュアスカウトとなってから最初の指名選手となった佐野如一スカウトも「広角に長打が打てるところであったり、早い真っすぐ、強い真っすぐにも刺されず打ち返せる」と称する打力が一番の武器。青学大出身で大学の先輩にあたる杉本とは、現在三菱重工Eastに所属する元オリックス・武田健吾外野手の仲介もあり、昨秋に行われた青学大の優勝祝賀会で対面済み。「一緒に写真も撮らせていただいて。そういうときからもしかしたら、オリックスに自分が指名されたのは何か縁があったのかなと思いつつ、本当にうれしく思っています」と目を輝かせ、まもなく訪れるであろう再会へと胸を躍らせた。
「私生活のことから野球のことまで、何から何までいろいろ聞いてみたい。取り組みだったり、見て学ぶことも多くあると思う。一から勉強だと思いますので、何から何まで吸収していきたい」
三菱重工Eastでは主に一塁・外野を守っていたが、ドラフトでは青学大3年春を最後に離れていたキャッチャーとして指名された。山中本人も「驚きは正直ありました」という捕手指名を、佐野スカウトは「プロで捕手として勝負していくかと言うと、そこは分からない」と前置きし、「可能性を広げる部分もある。今年も若月さん、森さんの2人が怪我で2軍にいた時期もありましたし、そういったときに捕手もできるよってところがあれば、山中くんの武器にもなると思うので。捕手でレギュラーを目指すってよりかは、そういった時でも捕手できますよって準備の部分。まずは外野やファースト、自分のアピールしたいところで一生懸命頑張ってもらえれば」と思惑を明かした。
山中本人も「自分はどう(ドラフトに)かかろうと、まずは打撃が強みだと思ってずっとアピールしてきた。過去にキャッチャーやったというのもあったからこそ、ああいう指名を多分されたと思う。まずは自分の強みをアピールすることに尽きる」と力を込めた。「チームの顔になれるような、お手本として憧れられるような選手になりたい」と大志を持って臨むプロ入りを前に、三菱重工Eastの一員として最後に臨む日本選手権大会が控える。「アマチュア最後の大会で試合ができる会場が京セラということで、オリックスの本拠地で最後試合ができるのは本当に縁を感じるので。もしかしたらオリックスファンの方も見に来られるかもしれないので、自分はこういう選手ってところを見てもらって、来季に期待してもらえるようなプレーをしていきたい」。来季からホームとなる球場のスタンドを、豪快な打撃で揺らすつもりだ。 (阪井 日向)