“球児イズム”により、阪神の秋季キャンプで投手陣に地獄の走り込みが課せられる。安藤投手コーチが安芸のメニューをこう予告した。
「ランニングを大事にしている監督なので、走る量は(例年より)必然的に増えると思う。(藤川)監督は米国でプレーして現地のトレーニングも見てきて、その知識の中で最終的に走ることが大事となったと思うので」
科学が進んだ現代でもランニングは基本の「き」だと、博識な安藤コーチも訴える。「結局、ピッチングは自分の体をうまく扱えないといけない。そのためには走ることがすごく大事」。3度予定する紅白戦に登板しない桐敷、石井を含めた全投手が下半身をいじめる期間になる。
秋季練習最終日のこの日は、キャンプの予行演習とばかりに、ポール間ダッシュ10往復が投手陣に課せられた。1本約140メートルとして3キロ近く走ったことになる。藤川監督は、走るフォームが崩れていないかを注視しながら眺めた。走りと投球。点と点を結び付けた若虎が、飛躍のきっかけをつかみそうだ。(倉世古 洋平)