◇SMBC日本シリーズ第4戦 DeNA5-0ソフトバンク(2024年10月30日 みずほペイペイD)
同じ95年生まれの左腕・東から受け取ったバトンを、DeNA・ケイが7回4安打無失点の好投でつないだ。球団助っ人のシリーズ初白星で零封を呼び「自分のベストピッチングを心がけた。勝つことができて、とてもうれしい」と頬を緩めた。
左打者6人を並べた強力打線を相手に自らの名前を連想させる「K」で波に乗った。先頭の柳田、周東を同じ外角スライダーで連続空振り三振。栗原には外角を意識させ、最後は内角ツーシームを振らせて3者凡退に仕留めた。2回先頭の山川にはワンバウンドを振らせ、初回先頭から4者連続三振。「一年を通して取り組んでいたストライク先行」の意識で、91年第1戦の工藤公康(西武)ら6人がマークしていた3者連続を抜くシリーズ新記録を樹立した。
5回2死二塁で甲斐を相手にこの日最速の155キロをマークするなど、直球も威力抜群だった。一方で「一番の鍵になる」と警戒していた主砲の山川には直球を1球も投げずに3打席凡退。1―0の6回2死二、三塁では初球139キロチェンジアップで中飛に打ち取って吠え、「山川選手にはつながせない、打たせないことが肝になる。それができて良かった」とうなずいた。
内外に加え、緩急自在の助っ人に三浦監督も「抜群に良かった。真っすぐの切れも、変化球の制球も、最高の投球をしてくれた」と脱帽した。
ケイは前夜に7回10安打1失点で勝利したエースの東と登板後にお互いの勝利をねぎらい「ポストシーズンになってアドレナリンも凄くいっぱい出る」と笑った。6回1安打無失点で勝利した16日の巨人とのCSファイナルS第1戦に続き、今ポストシーズン2勝目で、防御率は0・55。セ・リーグ王者を相手に下克上ムードを漂わせる快投を演じたあの日と同じ102球の熱投が、またもシリーズの流れを大きく手繰り寄せた。(花里 雄太)
《3者連続は6人》ケイ(D)が初回先頭から4者連続奪三振。初回先頭からの連続奪三振としては、54年第1戦の杉下茂(中)、67年第5戦の堀内恒夫(巨)、84年第3戦の佐藤義則(阪急)、91年第1戦の工藤公康(西)、09年第4戦の高橋尚成(巨)、11年第6戦の吉見一起(中)の3者連続を抜くシリーズ新記録となった。