◇SMBC日本シリーズ2024第5戦 ソフトバンク0―7DeNA(2024年10月31日 みずほペイペイD)
SMBC日本シリーズ2024は31日、みずほペイペイドームで第5戦が行われ、ソフトバンクはDeNAに0―7で敗れた。本拠地での3連敗で2勝3敗となり、日本一に王手をかけられた。相手先発・ジャクソンに7回まで無得点に抑えられるなど、2試合連続の零敗を喫した。第3戦の2回から26イニング連続無得点は1958年の巨人に並ぶ日本シリーズワースト記録。2連勝スタートの圧倒的優位から一転、崖っ縁に立たされた。
まさかの本拠地3連敗で崖っ縁に追い込まれた。2試合連続の零封負け、みずほペイペイドームでの3日連続の黒星は今季のレギュラーシーズンではなかった屈辱だ。小久保監督は「あれだけお客さんが入ってくれた中で最後の試合だったので。そこで勝ちを見せられなかったのが残念」と悔やんだ。
両リーグ断トツの607点を記録した打線がまたも機能しなかった。この日は単打のみの4安打。26日の第1戦以来、今シリーズ2度目の対戦となったジャクソンからは7回まで3安打でホームが遠かった。4回の攻撃開始時にはベンチ前で円陣を組んだが、実を結ばない。0―4の7回には1死二、三塁の好機をつかむも生かせなかった。2死後に二ゴロに倒れた周東はヘルメットを叩きつけて悔しさをあらわにした。
起爆剤として前日の第4戦で1安打1盗塁を記録した笹川をトップバッターに大抜てきした。柳田との攻撃的な1、2番コンビで臨んだが、笹川は4打数無安打、柳田は単打1本。頼みの4番・山川は本拠地3試合で12打数無安打と当たりが止まっている。第3戦から東、ケイ、ジャクソンと3試合連続で相手先発に白星を献上することになった。
これで第3戦の2回から26イニング連続で無得点となった。58年の巨人に並ぶ日本シリーズワースト記録。それでも指揮官は「何回も言うように(短期決戦は)敗戦を振り返ってもしょうがないので」と前を向いた。
開幕2連勝からの3連敗は、前身のダイエーが03年の阪神との日本シリーズで経験している。当時、王貞治監督が率いたダイエーは第6戦からの2連勝で日本一になった。監督就任時に「王イズム」を継承すると宣言した小久保監督は「3つ負けた。もう負けられなくなったというだけ。やるだけですよ」と腹をくくった。パ・リーグ覇者の底力が試される。 (井上 満夫)
○…ソフトバンクが敗れ、2勝3敗と王手をかけられた。開幕2連勝から3連敗したのは過去5例あり、4例は日本一を逃した。さすがにデータ上は劣勢だが、2連勝で日本一に唯一輝いたのは前身であるダイエーの03年シリーズ。“逆転の鷹”を再現できるか。