TBSの龍宝正峰社長が1日、都内で行われたアジアを代表するマルチコンテンツマーケット「TIFFCOM 2024」に登壇した。同局の成長戦略や海外市場への取り組みについて「不退転の決意でグローバル領域へのチャレンジを続けていきたいと」と熱弁をふるった。
配信プラットフォームなどの充実で、コンテンツの海外展開が以前に比べ活発になってきているテレビ界。各局はIP戦略に注力し、放送外収入の拡大を図っている。
TBSでは人気番組「SASUKE」が世界160カ国以上で放送され、約25カ国で現地版が制作されるなど「フォーマット販売」が成功を収めている。最近では、今年1月期の大ヒットドラマ「不適切にもほどがある!」が韓国でリメークされることも決定。6月には韓国・ソウルに海外ビジネスの戦略拠点としてTOKYO BROADCASTING SYSTEM KOREA,INC.を設立しており、戦略拠点としている。
龍宝社長も「一番重視しているのが、得意としているクリエーティブ力を強化して新しいオリジナルIPの力を開発していくこと」と説明。「多角的にマネタイズしていくことに積極的に投資し、時間軸や国境を越えて大きなビジネスに拡大させていく」と宣言した。
2021年に長期経営ビジョン「TBSグループ VISION2030」を発表しており、昨年までが第1フェーズ。企画の最初から海外を目指すコンテンツを作るための会社「THE SEVEN」の設立(22年)などを行ってきて、龍宝社長は「成長への種まき期間」と振り返った。同社はNetflixで配信中の実写ドラマ「幽遊白書」などを手がけている。第2フェーズに入った今年を「グローバルビジネス元年」と位置づける。成長戦略投資として1600億円を用意し、さらなるグローバルコンテンツの拡充を目指していく。