俳優・神木隆之介(31)が主演を務めるTBS系日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(日曜後9・00)は、3日に第2話が放送される。同作は、「アンナチュラル」(2018年)、「MIU404」(2020年)、現在上映中の映画「ラストマイル」など数々のヒット作を生み出してきた、野木亜紀子氏×塚原あゆ子氏×新井順子氏という強力チームが手掛ける。現場をまとめる新井プロデューサーに、物語の見どころを聞いた。
本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく。
神木は同作で、俳優人生初となる「一人二役」に挑戦した。1955年の「端島パート」では、端島の炭鉱員の家で生まれ育った鉄平を、「現代パート」では現代の東京に生きるホストの玲央を演じている。
「現代パート」で神木演じる玲央は、鍵を握る謎多き婦人・いづみ(宮本信子)と出会い、人生が急転していく――という展開。初回放送後、ネット上では「未来のいづみは誰なんだろう」「杉咲花×土屋太鳳×池田エライザという3人のキャストの“誰が63年後の宮本信子なのか?”という謎の仕掛けになってて早速すげえ」と瞬く間に話題を集め、X(旧ツイッター)トレンド1位の大反響となった。
朝子役の杉咲花、リナ役の池田エライザ、百合子役の土屋太鳳の3人のキャスティングについて、新井氏は「主役は神木さんで…というのは満場一致で決まって。神木さんをセンターに置いたときに“女性3人を全員違う感じにしたいな”と。普段ドラマを見ないような方でも…それこそ外国の方が見ても、パッと見て“違う”と思えるような3人にしたい。顔や雰囲気の違う方を探していました」と構想を明かした。
その中で、3人を選んだ理由は?まず、初回の鍵を握る謎の女性・リナ役については「とにかく歌える人。そしてお芝居がしっかりできる人」をピックアップ。「2つを両立できる方は多くはありません」とした上で、池田に白羽の矢を立てた。オファー当初は「池田さんはあまりGP帯のドラマに出ている印象がなかったので、断られるかなと思った」とダメ元での依頼だったというが、池田は2つ返事で快諾。「実は池田さんのお父さんが、端島の隣の高島のご出身で。ご縁があり、OKをいただきました」と安どの表情を浮かべた。
朝子役の杉咲、百合子役の土屋については「杉咲さんは中学生、土屋さんは高校生の頃にご一緒したことがあったので、“また一緒にやりたいね”と話していました。念願かなったキャスティングです」と胸を張った。
その3人のいずれかが、63年後のいづみにつながるのでは…と、ネットでは考察が過熱。新井氏は「初回は、女性陣3人に注目してください。特に、ラストの3人のシーンです」とニヤリ。また、神木の一人二役についても「意味がある」と明かし、「推測してください。めちゃくちゃ難しいんですけど(笑い)」と視聴者に“考察”を促した。
また「第1話から、実は散りばめられているんです。謎が」と笑みを浮かべ「スタッフも“ええー!”と驚いていました。最終回まで見届けたら、もう一度、第1話から見ていただきたいです」と呼びかけた。
ただ、同作は「考察ドラマ」と括り切れない魅力がある。「神木さんもよく言っていますが、“ちゃんぽんドラマ”なんです。いろんな要素が含まれていて、誰もが主役になれるストーリーになっています」と新井氏。「家族と見ても良いし、考察しても、しなくてもいい。家族の関係は今後どうなるのかなって思いながら見る人もいれば、ラブストーリーが気になる人もいると思います。全体を通して、過去から描かれた内容が、どう現代に結びつくのか。過去からのメッセージを、どう主人公の玲央が受けとって、行動していくのかを見ていただけたら」と願いを込めた。