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初日にハーフ29を出した東北福祉大の湯原が余裕の逃げ切りで個人&団体戦V

スポニチアネックス 2024年11月1日 22時13分

 大学ゴルフの「サーフビバレッジ全日本大学ゴルフスーパーリーグ2024by愛岐カントリークラブ」は1日、岐阜・愛岐CC(男子7077ヤード、女子6137ヤード、いずれもパー72)で132人が参加して最終日が行われた。

 男子団体戦は通算23アンダーの553ストロークで東北福祉大が連覇を飾った。

 女子団体戦は通算2アンダーの574ストロークで日大が初優勝した。

 個人戦は男女混合で争われ、男子の湯原光(21=東北福祉大)が68で回り、通算14アンダーで2位に6打差をつけ初優勝した。

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 若い選手の“覚醒”のスピードには目を見張るものがある。

 全国の強豪大学が集まる大舞台で、これまで大きなタイトルとは無縁だった大学3年生の湯原が、初の栄冠を手にした。

 「個人戦でも団体戦でも優勝できて、うれしいです。ドライバーショットはあまり良くなかったんですけど、良いパットが決まってくれました」と団体&個人のW戴冠に表情を緩ませた。

 前日の初日に圧巻のプレーを見せ、周囲を驚かせた。切れの良いショットと巧みなパットで4番の7メートルのバーディーパットを皮切りに5連続バーディーを奪った。さらに517ヤードの9番パー5では、残り250ヤードの第2打を5Wで5メートルにつけ、一発で仕留めて会心のイーグル奪取。ハーフで29の好スコアをマークし10アンダー、62で単独首位に立った。

 「自分でもビックリしました」と驚きを隠せない様子だったが、それは大会関係者も同じだった。恩師の東北福祉大の阿部靖彦監督は「そんなスコアが出るコースかな」と改めてコースを見て回った。そして「難しいよ、ここは。そんな簡単なコースじゃないよ」と目を丸くするほどだった。

 その教え子の勢いは最終日のこの日も止まらなかった。5番で8メートル、16番では7メートルの難しい距離を沈めるなどパットが好調で余裕の逃げ切りVを飾った。

 実は今年、ずっとドライバーショットが不調でスコアがまとまらず、関東学生連盟の秋のリーグ戦の団体メンバーから初めて外されていた。

 梶井亮介コーチは当時を振り返り「本人も“(不調を)自覚しています”と言っていましたが、いざメンバーから落ちた時にはショックだったと思います」と明かした。

 大学入学後初めといっていいほどの絶不調に陥っていた湯原。しかし、阿部監督はそんな悩める男を簡単には見放さなかった。その復調を待ち、チーム合宿にも同行させ背中を押した。

 「合宿でダメだったら今年は外そうかという話も出ていましたが、そこそこの成績を出した。それで今大会に連れてきて、もう一回様子を見ようということになりました」と梶井コーチは説明した。

 一時は試合出場のチャンスを失いそうな崖っぷちに追い込まれていた湯原だったが、阿部監督らの“ショック療法”で息を吹き返し、大きな結果を残した。

 「2日続けて60台のスコアを出せたのは良かったです。この調子を維持して次の試合も頑張りたいです」と湯原。5日から石川・片山津GCで始まる常陸宮杯全日本大学選手権でさらに成長した姿を見せる覚悟だ。

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