俳優の磯村勇斗(32)が1日放送のNHK・Eテレ「スイッチインタビュー」(金曜後9・30)に出演。「演じること」「なりきること」について熱い思いを語った。
無類のアート好きという磯村が同番組で念願かなって初対面したのが”モールアーティスト”のフジサキタクマ氏。針金にカラフルな毛糸がついたモールで、カラフルでポップなモンスターなど、独自の世界観のキャラクターを生み出している。
対談の2週目はフジサキ氏がインタビュアーとして磯村にさまざまな疑問や質問を投げかけ「俳優・磯村勇斗」の扉を開いていった。
「違う自分になる」「なりきる」。これが凄く難しいことだと語るフジサキ氏に「普通のことが“お芝居なんだ”っていうフィルターが入ることによって、どっか硬くなったり、不自然になっちゃうっていう…この何か不思議なゾーンに入ったことは僕はよくありました。“何で普通のセリフなのに、抑揚つけてしゃべっちゃってんだろう自分”とか“何でこんなに硬くしゃべってんだろう”とか反省することは本当に多々ありますね」と何度もうなずいた磯村。
そして、今年大きな反響を呼んだTBSドラマ「不適切にもほどがある!」で昭和のアイドル「マッチ」こと近藤真彦に憧れる秋津睦実こと「ムッチ先輩」と、そのムッチ先輩の息子という時空を超えた一人二役に「なりきった」ことについて話が及ぶと「最後の方…ちょっとどっちか分かんない時とかありましたよ“あれ?今どっちやってるんだっけ”とか。同じシーンに2人いるみたいなシーンもあって…あの時は本当に訳が分からなかったですね」と苦笑いを浮かべながらまさかの告白。それでも「ムッチとかは自分の中でも新しかったですし、ああいうキャラクターは好きなんで、演じていて楽しいですね」と笑顔で振り返った。
ここで、思い立ったように「僕って結構、磯村さんとか磯村勇斗さんとか呼ばれるより“ムッチ先輩”とか“ジルベール”とか…そういう役名で呼ばれることが凄い多くて、むしろ本名は知らないですみたいなのが結構多いんですよ。それはそれで僕はうれしくて。ちゃんと役として見ててくれていたんだなと。それは役者をやっている上では凄いうれしい」と楽しそうに笑った。
キャラクターづくりは「姿勢、表情、声など…最初一回、最大限につくる。ゴテゴテに」といい、「そこから徐々に削っていって、現場では全部捨ててやってみると、丁度いいのが誕生するみたいな(笑い)ざっくり言うとですけど」と表現。改めて「子供のころから“何かになる、なりきる”のが好きだった」と自身の俳優としての“原点”に思いをはせた。