旭川実で主将兼エースを務めた最速152キロ右腕・田中稜真投手(18)が1日、仙台大体育学部に合格した。NPB12球団が注目していた北の怪腕は、プロ志望届を提出せずに進学を決断。大学日本一と、4年後のドラフト1位指名でのプロ入りを目指し、新天地での活躍を誓った。
152キロ右腕の進路が決まった。旭川実のグラウンドに姿を現した田中の表情は晴れやかだった。
「冷静に考え、今のままでは厳しいという判断になった。(大学で)完成形に近づけてレベルアップし、ドラフト1位で入るのが目標。大卒1年目からすぐにでもローテーションに入り(将来は)球界を背負う投手になりたい」
今年の北海道内高校球界で最も注目される存在だった。夏の旭川支部予選初戦(対旭川南)では6回を投げて11者連続を含む15奪三振をマーク。北北海道大会準決勝(対クラーク)で延長10回タイブレークの末に涙をのんだ。夏前まではプロ一本だったが、「冷静に考える時間が必要」と家族会議を重ね、同校から21年ロッテ育成でプロの道に進んだ兄・楓基投手(21)からは大学の選択肢も提案され、熟考の末に9月下旬に4年後のプロ入りを目標に定めた。
仙台大には来秋ドラフト候補の151キロ左腕・渡辺一生(3年=日本航空)らがおり、8月下旬の練習会に参加した際には「投手力が高い。成長できるいい環境だなと魅力を感じた」と振り返る。大学での目標は日本一。直球の精度を高め、落ちる球にも挑戦し、4年後を見据える。(武田 政樹)