◇柔道講道館杯第1日(2024年11月2日 群馬・高崎アリーナ)
女子7階級が行われ、70キロ級は寺田宇多菜(JR東日本)が2年連続3度目の優勝を果たした。昨年は優勝後に出場した12月のグランドスラム東京大会で、左膝の前十字靱帯(じんたい)断裂などの大ケガ。鮮やかな復活劇を果たし、「連覇は考えずに1試合1試合勝ち抜いて優勝を目指した」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
昨年12月に手術を受け、すぐにリハビリを開始。それでも畳の上での稽古に復帰できたのは、今年9月だったという。わずか1カ月で実戦復帰し、さらに1カ月経った今大会で優勝。「ケガもあり、試合が怖いなというのはあった。トレーニングをして、少しずつ恐怖を取り除くことができた」と振り返った。
女子70キロ級はパリ五輪代表の新添左季が進退を明らかにしておらず、28年ロサンゼルス五輪に向けては激しい代表争いが予想される。名乗りを上げた寺田にとって最大のライバルとなりそうなのが、同門で同学年でもある今年の世界選手権銅メダルの田中志歩。
4年後に向けて争いは始まったばかりで「普段はよく話すし遊びにも出かけるけど、畳に上がれば真剣勝負。まだ自分が下なので、しがみついていきたい」と言葉に力を込めた。