◇柔道講道館杯第1日(2024年11月2日 群馬・高崎アリーナ)
先月就任した女子日本代表の塚田真希監督(42)が会場を訪れ、コーチや強化委員らと共に試合を視察した。大会は28年ロサンゼルス五輪代表争いの実質的なスタート。長い1日を終えると、「緊張しながら会場に来た。いよいよこの大会から始まるなと、気持ちは固まった」と大きく息を吐いた。
女子は今夏のパリ五輪で金1個を含むメダル2個と、過去最低の成績に終わった。強化スタッフは4年後に向けて若手の台頭を期待していたものの、女子7階級で10代や高校生の優勝はなし。10月の世界ジュニア選手権を制した52キロ級の大井彩蓮(滋賀・比叡山高)や57キロ級の本田里来(福岡・敬愛高)もシニアの壁に阻まれ、ベテラン勢が意地を見せた階級も多かった。
塚田監督は全体の結果を見渡し、「階級によって、かなり(若手とベテランの実力に)差がある。早めに対応を練っていく必要がある階級もあるねと(コーチらと)話した」と打ち明ける。20年からのコロナ禍で、特にジュニア世代の試合機会や海外派遣などの強化が停滞。改めて選手層の薄さが浮き彫りとなり、「(強化を)どう機能させていくかも課題」と話した。
今大会は12月のグランドスラム(GS)東京大会(東京体育館)の選考会を兼ねており、今年6月の世界選手権代表やパリ五輪代表選手を含め、各階級4人が出場権を得る。4年後に向けて若手を大抜擢して国際大会の経験を積ませる選択肢もある中、塚田監督は「この大会で成績を残した選手をベースにする。プラス、世界で戦ってきた実績を見ながら選考する。バランスを取るのは難しいが、2つの視点で選んでいく」と話し、悩ましげな表情を浮かべた。