◇ドジャース優勝パレード&報告会(2024年11月1日 ロサンゼルス市内)
ワールドシリーズ(WS)を制して4年ぶり8度目の世界一に輝いたドジャースは1日(日本時間2日)、本拠を置くロサンゼルス市内で優勝パレードを行った。前回20年はコロナ禍で実施できず、88年以来36年ぶりの開催で約25万人のファンが集結。その後にドジャースタジアムで行われた優勝報告会では前人未到の「50―50(54本塁打、59盗塁)」を達成した大谷翔平投手(30)が即興で英語でスピーチを行い、大歓声を浴びた。
集まった約4万2000人のファンが、大谷を温かく見守る。ドジャースタジアムで行われた優勝報告会。中堅の特設ステージ上でデーブ・ロバーツ監督や選手らが次々に喜びのスピーチを行い、指揮官の指名でマイクが巡ってきた。予定にはない突然のスピーチ。最初に「あぁ…」と声を漏らして笑ったが、すぐに覚悟を決めた。
「This is so special moment for me.I'm so honored to be here and to be part of this team.Congratulation LosAngeles,thank you fans.」(私にとってこれは特別な瞬間。ここにいられて、このチームの一員になれてとても光栄。ロサンゼルス、おめでとう。ファンの方々、ありがとう)
即興で語ったとは思えない内容で、何よりも流ちょうな英語にファンもナインも大喜び。シーズン中に本塁打を放った時のような大歓声を浴びた。イベント後はグラウンドで優勝トロフィーを抱えながら、愛犬デコピンを抱える真美子夫人と3ショットに納まった。
報告会の直前には米国第2の都市であるロサンゼルスが沸いた。88年以来、36年ぶりに優勝パレード開催。選手、関係者らは2階建てバス7台に分乗し、市庁舎前をスタートした。3号車に乗り込んだ大谷はデコピンを抱え、真美子夫人も同乗。沿道を埋めた約25万人のファンと喜びを分かち合った。ファンから愛犬の米国での呼び名「デコイ」コールが起こる場面もあった。
パレード中の中継局のインタビューでは「壮観で。こんなに人がいると思っていなかったので圧倒されている」と驚きの表情。「(移籍)1年目から応援してもらって凄く感謝している」と感慨を込めた。4号車でノリノリで踊っていたE・ヘルナンデスのように「上半身裸にならないのか?」と振られると「No. Never.(いいえ、絶対しない)」と軽妙に返し、笑顔を振りまいた。
昨季まで6年間所属したエンゼルスからプロスポーツ史上最高の10年総額7億ドル(決定時約1015億円)の大型契約を結んでド軍に移籍。打者に専念した移籍1年目で前人未到の「50―50」を達成した。第2戦の走塁で左肩を亜脱臼しながら強行出場を続け、ヤンキースを下して自身初となるWS制覇。家族にも支えられ、24年シーズンを駆け抜けた。
「最高の結果を出すことができて、チームとして素晴らしい1年だった」と大谷。伝説のシーズンは、ロサンゼルスの青空に舞った紙吹雪とともにファンの記憶に深く刻まれる。(柳原 直之)