現在、侍ジャパンは国際大会「ラグザス presents 第3回プレミア12」に向けて宮崎県内で合宿中。井端弘和監督は、日本の開幕戦となる13日のオーストラリア戦(バンテリンドーム)先発に、初代表の井上(巨人)を抜てきする方針を明かした。過去2大会の開幕戦の先発投手は誰だったのか?思い出してみたい。
15年の第1回大会は、当時は日本ハムに所属していた大谷(ドジャース)だった。11月8日の韓国戦(札幌ドーム)で同年の自身最速タイとなる161キロもマークし、6回2安打無失点で圧巻の10奪三振。強力打線を力でねじ伏せて侍初勝利を挙げ、「世界一しか見えていない」と語っていた。トップチームとしては09年第2回WBC決勝以来、6年ぶりだったライバル対決で完勝に導いている。
初優勝した前回19年の第2回大会は、同年に15勝を挙げてメジャー挑戦を控えた山口俊(当時巨人)が先発した。「独特の緊張感があった」と4回を5安打1失点の粘投。直前のカナダとの強化試合ではフォークが決まらず2回6失点だったが中4日できっちりと修正した。毎回走者を背負い、4回1死満塁から遊ゴロの間に先制を許したが最少失点でしのぎ勝利につなげた。
今大会で初戦を託される5年目の井上は今季に自己最多の8勝を挙げた成長株の23歳。DeNAとのCSファイナルSで巨人が3連敗と追い込まれて迎えた第4戦では6回1失点と好投している。井端監督は日本ハム・伊藤らの代表辞退を受けて追加選出した左腕について「初戦なので緊張すると思うけど、崖っ縁でのピッチングを見て“大丈夫だ”と思った」と期待。10月29日の宮崎合宿初日のアップ前に伝え、本人も「(驚きで)頭が真っ白になった」と語っていた。
5日の広島との練習試合に調整で先発マウンドに上がる予定の井上。日の丸を背負う責任感が、さらに成長を後押しするはずだ。(記者コラム・神田 佑)