◇柔道講道館杯最終日(2024年11月3日 高崎アリーナ)
男子100キロ超級3回戦で、試合途中に柔道衣が破れ、白柔道衣同士の対戦となる珍事が発生した。
試合は白柔道衣の畠山凱(国士舘大)と、青柔道衣の佐藤和哉(日本製鉄)が対戦。4分間の本戦では決着が付かず、ゴールデンスコアの延長戦に入って2分過ぎ、珍事は発生した。
畠山が背負い投げに入った際、相手の右腕ではなく、柔道衣の右裾をつかんで技に入った。すると佐藤の柔道衣の右サイドスリットが裂けるように破れる事態が発生。戸惑いながらも一度は着衣を整えた佐藤だが、審判団やジュリーが協議。その結果、このままでは続行不可能と判断され、佐藤も白柔道衣に着替えて試合が再開された。
かつては白柔道衣のみで競技が行われていた柔道だが、特に海外を中心に選手や勝敗の判別が付きにくいとの声が高まり、国際柔道連盟(IJF)は98年から青のカラー柔道衣を導入。五輪でも2000年シドニー大会以降は、白と青の2色の柔道衣が採用されている。
一方、全日本柔道連盟は伝統を重んじる観点から、98年以降も国内大会での採用を見送っていたが、20年の講道館杯男子60キロ級決勝で誤審が発生。視認性を高める観点から、21年から国内主催大会での青柔道衣の導入を決めた。その中でも体重無差別で日本一を決める男女の全日本選手権は、24年現在でも白柔道衣のみで競技が行われている。
試合は延長3分46秒、佐藤が相手指導3による反則勝ちを収め、準々決勝進出を決めた。