◇柔道講道館杯最終日(2024年11月3日 高崎アリーナ)
会場を訪れたJESグループの井上智和監督(49)が報道陣の取材に応じ、10月30日に頸椎のヘルニアのために関東の病院で首の手術を受けたパリ五輪男子100キロ超級代表の斉藤立(22)について、「来年のこの大会(講道館杯)で復帰をしたい」との見通しを示した。
井上監督は五輪前の今春に右手に力が入りづらいなどの違和感を覚えたという斉藤について、「五輪に支障があったわけではないが、検査をしたら、(頸椎の)6番、7番(の骨)に大きなヘルニアがあった。いろんな病院で検査を受けたが、切った方がいいという判断になった」と明かした。
手術を受けずとも日常生活には支障がないものの、「トップ選手として五輪を目指すなら、受けた方がいいという(医師の)判断だった」と説明。最終的には斉藤自身が決断を下したといい、10月30日の手術は約7時間を要したという。
今後は2、3週間程度入院し、「慌てずにリハビリをする。(本格的な練習への)復帰は半年くらいかかる」と説明。来年も同時期の開催が見込まれる講道館杯での復帰を目指しつつ、「(回復が)早ければ(9月の全日本)実業個人選手権で復帰する」と計画を明かした。
大会終了後の取材に応じた男子日本代表の鈴木桂治監督も、「昨日会った。トイレに行ったり、歩くことはできている」と近況を説明。来年6月の世界選手権出場は事実上絶望的となったが、「もう一度柔道をする体を取り戻すのは、数カ月では無理だと思う。まずはしっかり生き延びること。本当に首は怖いので」と気づかった。