◇柔道講道館杯最終日(2024年11月3日 高崎アリーナ)
男子7階級が行われ、100キロ級はグリーン・カラニ海斗(パーク24)が初優勝。「人生初の日本一。2位や3位ばかりで呪われていると思ったが、諦めないで良かった」と感無量の表情を浮かべた。
決勝では中盤に得意の内股で技ありを奪うと、終盤に2つめの指導を取られたものの逃げ切った。内股は今年4月にパーク24に入社後、92年バルセロナ五輪王者の吉田秀彦総監督に伝授された「オールドスタイル」のもの。総監督の助言で乱取り以上に技の打ち込み練習を徹底したことで、威力が爆上がり。見事に結果を残した。
柔道総本山の講道館で活動する春日クラブの出身で、21年東京五輪王者のウルフ・アロンは直属の先輩。今大会の最終調整でも様々な助言をもらい、優勝につなげた。憧れや目標とする選手もウルフで、「道場、中学の先輩で、ハーフというのも同じ。トーク力も凄いし、人に対する優しさ、柔道への思いも凄い。ウルフさんの後を継ぎたい」と熱っぽく語った。
パリ五輪では個人戦でメダルなしに終わったウルフは、来年6月での現役引退を表明している。世界との差が広がりつつある男子重量級の後継者として名乗りを上げたグリーン。「(現段階で)世界トップに通用するか分からないが、誰よりも努力して世界一になりたい」と4年後へ高らかに宣言した。